ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■神経衰弱〜トレランス旗揚げ公演〜
物語自体は、意外な方向に進む。途中、この医者に通ってる、ってことすら、どちらかの夢なのか?という疑念が浮かんだり。どこまでが妄想なのか?そして、本当の精神分析医は、ここまで焦るように患者を追い込むのだろうか?「トラウマ」に行き当たった時点で、あなたは、それがあることを知った、と、「だからもう大丈夫」と言えるのだろうか・・・?
女のトラウマは、子供の頃、病弱だった母に一度も抱かれた事がなかったこと。結構裕福で苦労はなかった、でも、母に抱かれたかったのに、一度もそれは叶わず、恐らく、それを母に口にすることもできなかった。男のトラウマは、意外な形で現れる・・・ユングの登場で「もうひとりの自分」とされていた影・チャルくんや、元妻が自分の兄弟として登場する。思い出すのだ、ある日、学校から帰ってきたら、母が服毒自殺していた。子供の彼は学校で習った歌を歌ってあげているうちに母親が目を醒まさないかと、祈るようにただ、歌い続けることしか出来なかった。「あの時、ぼくがすぐに誰かを呼んでいれば、母は死ななかったかもしれない」・・・それが彼のトラウマ。ユングの亡霊の登場、それは本物なのかすらわからないまま終る。ユングの亡霊の無意識ではユニバースにつながっているという、言葉通り、今、そのトラウマに負けてしまう女が、服毒自殺を図る。男は、助けられなかった母のかわりにその女を助けることで2人が抜けられるんじゃないかと、無意識の次元(だったかな?)を通り抜け、彼女を助けろ!とユングに薦められる。彼は彼女のそばに飛ばされる。そして、あの日、母に歌いつづけたように「ありさん」の歌を歌う。女が反応しはじめる。幻想的な空間になり、女は、かすかに微笑み、ユングの手下に抱き上げられたりしつつ象徴的に男と手をつないでその場を退場する。そして残った彼らにより、手話を思わせる腕のゆるやかな動きのダンス(?)で、幕。
彼らは、結局、向こう岸にいってしまったのか?男は、このたび、母の替わりに彼女を救えたのか。彼女の意識は向こう岸から戻ってくるのか・・・・。解答は示されないままだ。
長かったー。終った瞬間思った。でも、2時間だったのよ。あれ?退屈で長く感じたわけじゃない。濃密過ぎた?つめこみすぎた?もっと削げた?見ながらどきどきし、知らぬ間に芝居の世界が何かを考え始め、こういうもの?とさぐりながら、芝居に入り込んでいく。で、いいたかったことはなんだろう。時々煩雑だったので、演出とか、脚本の見直しが必要になってくるのではないだろうか・・・もしくは、セットの出入りとか・・・。諸々・・・その中でカーテンコール。上杉&長野の登場。2人の満足な微笑み、それを見た瞬間、いろんな全てが吹き飛んだ。それがいいことか甘いことかは別として。とにかく、スゴイ嬉しかった。2人にしても、初日だけにダメ出ししたいこと修正したいことがあっただろうが、ユニット旗揚げ!に関して、この作品を第一作に選んだことに悔いはない、そういう晴れやかな笑顔だった。涙が出てきた。もう、今まで考えてたこと、そんなことどうでもいい。「旗揚げ、初日、おめでとうございます。これからも良い芝居を提供ください」感無量。
にもかかわらず、何故か、辛口アンケートを書く。反省。
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06月02日(日)
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