ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■「め組の喧嘩」を見た!
 それを「うるさくって寝られやしねえ」と酔い醒ましの水を飲む辰五郎だが、息子やお仲にもそれを飲ませる。「別れの水盃」と察したお仲は、愛想づかしを言い、離縁をせまる。お仲にしてみれば、自分たちに心残りなく行動して欲しいという気持からである。子供を連れ、出ていこうとするお仲に辰五郎は用意してあった去り状を渡す。辰五郎は遺恨を晴らし、死ぬ気であった。親方のところには暇乞いに行ったのだった。酔ったフリをしていたのは、見物衆を巻き添えにしないために時間稼ぎをしていたのだ。互いの思いを知り、去り状はおませな子供が様子を見ていて破る。亀右衛門は若い衆がはやるのを止めに先に走る。辰五郎は、お仲が用意した白さやの短刀を腰に角力の打ち出し太鼓に促されるように家を出る。

<大詰め>
 神明町の普請場。火事場装束で集結している鳶のものたち。それを角力がのぞいたので猶予はならないと、はやるところへ亀右衛門、そして辰五郎が来、一同水杯を交わし、半鐘を鳴らして決死の殴り込みにかかる。繰り出した鳶と角力とが入り混じっての大乱闘。やがて辰五郎と四ツ車の一騎討ち。
あわや、というその時、かけつけ割って入る喜三郎。鳶の管轄、町奉行根岸肥前守の印のはっぴと角力を支配する寺社奉行松平右京之亮の印のはっぴと二枚着ているから、鳶も角力も手出しできない。神明町の自身番に町奉行、寺社奉行双方出張ってきたと聞いては喧嘩も続けられず、危険を顧みず仲裁に入った喜三郎に喧嘩を預け、双方神妙に名乗り出ることになる。

 読むのも面倒でした?時代劇みたいでしょ?これが目の前で繰り広げられます。序幕では、廓物ほど華やかな花魁などは出て来ないものの、お座敷遊びの様子が見られ。ニ幕では、宮地芝居の小屋のにぎやかな様が見られます。そして序幕、八ツ山下の場では、提灯の明かりがなければ真っ暗闇、今のように街灯もないですからね、それを少しライトを落として、下座音楽でここは暗闇の場ですっていうのを表現する太鼓の音がどーん、どーんと低く響く中、いわゆる「だんまり」という手法が見られます。客席からはもちろん、役者同士も見えてるのに、見えてない風に手さぐりでそろりそろりと動くのです。「だんまり」・・・色々な作品にポイントとして出てきます。そして三幕、浜松町の辰五郎内の場は、子役の達者ぶりと粋な江戸のおかみさん、女形の気風の良さの見せ所。また、酔ったフリの親分の心情が、これはちょっとなんか隠してるな・・・ただの弱腰じゃないな、と見せるところなんか、一種、隠し事を心に秘めて演じることを「腹芸」というらしいですけど、そんなところがちょっとかいま見れるかな。これは「腹芸」とまで言わないかな・・・。ま、いかにも世話物という一幕です。
 そして大詰め、四幕目、これは、すごい、舞台重そう。鳶が45人で角力30人?見所は大勢!?ここだけで三場あるんだけど、喧嘩の勢いを消さないために暗転とかないわけで、普請場で揃った鳶たちが花道をどーっとかけぬけ、どーっと帰ってくると舞台は角力小屋。廻り舞台も使って小屋のこっちとあっちの喧嘩が流れるように見えるわけです。で、小屋の上に乗って瓦を投げて応戦する鳶たち、さすが鳶、はしごを使って応戦する鳶。ここの殺陣は、アクロバティックで迫力ありました。歌舞伎の殺陣は直接斬り合ったり殴りあったりしないんだけど、迫力ありますよ。衣装としては、鳶たちはみんな刺青シャツみたいの着てるし、角力たちは肉じゅばん着てて、それが見もの?


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02月09日(土)
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