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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅9(忘れそうになりながらも急いでかきなぐる)
フェリーが加計呂麻島の
瀬相の港をゆっくりと出る。


オープンエアの
2階の席で
風にあたって
島に別れをつげる。

ありがとう
ありがとう。

いただいたものを
大切に

わたしは
わたしの身体をつかって
できることを
ちゃんと
できますように。

がんばります。




あっという間に
古仁屋の港に到着。


古仁屋港の
海の駅や
物産のお店によりながら

おみやげを買いあさる。


天野さんご夫妻
おすすめのお塩や
かけろまキビ酢。


黒糖のお菓子や
もずく
などなど。


それから
また

名瀬にむかう
山の道。


にいちゃんに
電話をして
今夜のまちあわせ
確認をする。


トンネル
やまやま
とおくにみえる川。


一度とおっているので
なんだか
なつかしい。


車の中ですでに

わたしは
加計呂麻に住む…と
宣言していた。


どうやったら
住めるかなあ。


まやさんは
あたたかく
わたしの妄想を
きいてくれる。


いまは
妄想だけど
この種類の
妄想は
結構
ほんとうに
なる感じの
妄想。


人生の方向が
これまで
考えたことがなかった
意外なほうに
開けて

そこから
わくわくする
光が
さしこんできたような
心持ちに
なっていた。


帰り道は
まよわずに
宿あづま家さんに到着。


今度は
たたみのふたり部屋。


スーパーや
お酒やさんで
最後のおみやげを
買いあさり

ダンボールをもらって
荷造りをする。


荷物を
近所のスーパーから
おくったかえり


あづま家のおとうさんが
近所の道端で
お魚をさばいているところに
であった。


ええ声の
かっこいい
おとうさんだ。


「釣ってきたんですか?」

声をかけたのが
きっかけで

おとうさんと
いろいろ話がはじまる。


「ここが俺のアジトだー」

お魚をさばいているところの
建物のドアをあけると
そこは

世界のいろいろな
お面やら民芸品やら
あやしげなものが
ところせましと飾られ

レコードがたくさんあり

写真やポスターがはられ

アジト!と呼ぶのがふさわしい空間。


「まあ座れ」

そこへ
おかあさんが

「どうぞ」


干し柿をもってくる。


おとうさんが
本棚から
雑誌を数冊とりだし
みせてくれる。


実は
このおとうさん

10年前に
奄美大島のいろいろな
ところをガイドできた
唯一の人だったらしい。

ヨットでも
有名だったらしい。


たくさんの雑誌に
写真入りで
おとうさんが
紹介されていた。

雑誌では
アニと描かれている。

「ボクはアニだから
 アニとよんでくれ」


アニのアジトで
アニといる

さっきまで
予測しなかったことが
おこる

旅の不思議と
わくわく。


いろいろな話を
する。


地井武夫さんが
大切なお友だちで
なくなっても
携帯の番号を消すことができない

という話が
印象的だった。


ふと壁をみると

わたしが
奄美に来るきっかけになった
HABUSのチラシが
はってある。

「わたし
 ここのマスターに
 教えてもらって
 ここにもきたんです!」


すると
アニの顔が
ひょ!っとなって

「元気にやってるかー。
 どうしてるかー」

とびっくりされているよう。

「住所がわかる手紙をくれるよう

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04月11日(木)
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