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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅4(忘れないうちにいそいで書きなぐる)
【3月28日】

7:30に起きた。
晴れてる。

お酒が
残っていて
全身が重く
にぶい。


のそのそと
おきあがり
洗面にゆこうと
廊下にでると

隣の部屋のドアが全開で
まやさんは
さわやかに
荷物の整理などしている。

元気だ…。


「珈琲、のもっか…」


まやさんの部屋に
珈琲セットをもちこんで
元気そうなまやさんに
珈琲をいれてもらう。


昨夜
ワンカップの
黒糖焼酎を買って
ふたりで飲んだのは
まやさんも一緒に
珈琲を飲むためだ。


マイカップを
持ってこなかったから
紙コップを買うという
まやさんに

「紙コップよりも
 これでしょう!」


焼酎ワンカップをすすめたのだ。

それが
なかなかいい感じ。

焼酎カップで
珈琲をのむまやさんと

今日のスケジュールを
確認する。


きょうは
古仁屋の港を
10時25分にでるフェリーで
加計呂麻島へ
渡るのだ。


だいたい2時間くらいの余裕をもって
出発することにした。


荷物をまとめて
おとうさんとおかあさんに
挨拶する。


「いってきまーす!」
「また土曜日に戻ってきまーす!」


「いってらっしゃい!」


車が発進すると
まやさんが

「まだお酒のこってるのかなあ。
 なんかテンション高い!
 わらけてくるー」

という。


ずっしりと
低空飛行のわたしと
対照的だ。


「どうしよう、なんか、
 テンション高すぎて
 プチっときれるかもしれない!」

とにこにこしながら
いいだすもので


運転しながら
プチっときれられたら
これは大変だ…と

わたしは
クールダウン係に
まわることにする。


「おちついておちついて…」

とか
言ってみる係だ。


車は南の方へ。


まあるいどっしりとした
山々の間を走る
一本道。


「緑がきれいねー!」
「新緑かなあ!」


次々あらわれる山々の
新鮮な存在感に
包まれて
気持ちが
ほかほかしてくる。

淋しくない。

都会よりも
ずっと
ひとがすくないけど
ずっとずっと
淋しくない。

このやまやまの
存在感…
安心する。


車の中では
なぜか
おじいちゃんや
おばあちゃんの
話になる。


まやさんの
はいからな
おじいちゃんの

散髪の
お話をきいた。



わたしは
だいすきな
おばあちゃんの
はなしをした。

はなしながら
なんだか
泣いてしまった。


わたしが
結婚を
友だちにも
親にも
反対されたときのこと。


唯一
当時90歳の
おばあちゃんが

「誰がなんといおうと
 おばあちゃんは
 さとみの味方だからね。
 信じているからね。
 さとみが
 好きな人なら
 おばあちゃんは
 いいとおもうよ」

そう
いってくれたこと。

おばあちゃんが
亡くなった
いまでも

その存在が
とっても
力になっていること。



また
おもいだした。




途中
道の駅に車をとめて

緑の上を
すこしだけ
お散歩する。


緑の濃厚な空気
鳥の顔みたいな花
やまやまたちの存在感
その上に

おはよう!
太陽さま!


カメラは
あれから壊れたままなので

ひたすら
スケッチをする。


絵を描こうとすると
その風景や
そのものと
深く交流をするような
感覚があって

カメラよりも
ずっと
いまここの世界と
自分が
つながれるような
気がする。

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