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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅2 (忘れないうちにいそいでメモ)
【3月27日】
7:30に目が覚める。
雨。
昨夜
話した
いろいろなこと
自分のこと
世界のこと
布団の中
浮かんでは消える。
カラダの真ん中に
こっそりかくれている
もうひとりの自分が
外にでたがっている感じがする。
このところずっと
その感覚があって
島にきてから
さらに強くある。
金沢から仙台と移り住んで
20歳すぎに関西にやってきてから
なかなか外に
だせてあげられていないなあ…と
内側の奴のことを
いとおしく思う。
お酒が残っていて
カラダがずっしりと
重たい。
全身を清めたくて
窓を全開にする。
風が強くて
何か
話しかけてくるよう。
耳をすましているうちに
雨がふきこんで
畳がどんどん
ぬれていく。
名瀬は
周りを山に囲まれているので
窓をあけると
山と話せる感じがして
安心だ。
やっぱりわたしは
山が近くにみえる
町に住みたいなあと思う。
きょうは
12時着の飛行機で
まやさんがやってくる。
12時までに空港に行くには
何時に名瀬をでたらいいんだろう。
考えようとしても
お酒がとぷんとぷんと
頭の中でゆれるだけで
時間の計算ができない。
そうだ
こういうときは
珈琲をいれよう!
宿のおかあさんに
電気ケトルを借りてきて
お湯をわかす。
最近
珈琲焙煎にこっていて
自分で焙煎した
珈琲豆をもってきたのだ。
旅のために買った
小さいアウトドア用の
豆をひくやつで
がりがり豆をひいて
珈琲をいれる。
いい香り。
すこしずつ
目が覚めてくる。
そうだ。
まずは
ユタ神様に電話をしなければ。
それによって
これからの
スケジュールが
かわる。
でも
こんな
二日酔いのけがれた状態で
ユタ神様に電話なぞ
してよいだろうか。
電話することを
おもうと
だんだん
緊張してくる。
せめても
清めようと
もういちど窓辺で
雨風にあたり
顔をあらって
歯をみがいて
服を着替えて
いよいよ
電話をする。
呼び出し音がなって
間もなく
しっかりしたおじいちゃんの声。
「はい」
「あの…わたし、大阪からきたんですけど
先生のこと紹介してもらって…
お会いしたいのですけど。
今日か明日の午前に
お会いできないでしょうか。」
「1時半はどお」
「12時に友だちが空港にくるので、
それからなので、できたら3時以降がありがたいんですけど」
「3時は人がくるから…空港から40分よ」
「うーん…(できればお昼たべてからがいいんだけどなあ
でも貴重な機会だしなあ…)
…じゃあ…1時半でがんばってみます!」
「あ、4時でもいいよ」
「4時がありがたいです!おねがいします!」
「はいはーい」
名前も連絡先もきかれずに
電話がきれた。
ひとまず
よかった。
会うことが
できそうだ。
まやさんに
ユタ神様に会う心構えを
してもらえるようメールをして
そそくさと
宿をでる。
まずは
ユタ神様にもっていくための
お塩とお酒を買わなくては。
近所のストアによって
小さめの天然塩の袋を買う。
そのお隣の酒屋にいって
「ユタ神様用のお酒がほしいんですけど」
というと
「はいこれね。」
だしてきたのは
八千代の2合瓶。
「なんで30度のお酒なんですか?」
「なんでだろね。
30度で、ガラスの瓶じゃないとだめなの。
プラスチックとかじゃだめなの。」
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04月02日(火)
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