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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅5(わすれないうちにいそいで書きなぐる)
たまたまいま
おかあさんが
孫にあいにきているのだそう。
テーブルの上には
おおきな貝。
貝のお刺身だ。
となりのテーブルの
りえさんのおかあさんが
この大きな貝は
夜光貝だと教えてくれる。
表面を磨いて
アクセサリーにできるそう。
ユタ神様が
鏡や数珠にあしらっていたのは
ぶあつい夜光貝だった。
夜光貝の身は
しっかりして
こりこりして
でも
やわらかくて
なんだこりゃ!
という
うまさ!
うまい!
ほんとに
うまい!
まやさんは
「きょうはお酒を我慢するー」
というが
わたしは
こりずに
ビールを頼んでしまった。
夜光貝からはじまって
うまうま料理が
でてくる。
子どもたちもみんなで
つくったというジーマミー豆腐。
車麩やふき
ぜんまいなどの
煮物。
アオブダイの
フライ。
お魚のみそ汁と
ほかほかご飯。
たべていると
スタッフのおにいさんが
「いま、海に赤い月がでていますよ」と
こっそりいいにきてくれる。
いましかない!と
おいしいごはんをおいて
いそいで海へ。
湾からみえる半島の上に
まあるいおおきな
赤い月。
ぽってりと
わらっているよう。
「はやく
ごはんたべて
うみにはいろう!」
月にてらされた
うみにはいりたくて
たまらないのと
おいしすぎるごはんとの
あいだの
葛藤。
いまここにある
この赤い月は
きっと
いまだけだから
その
あかい月を
のみこんで
身体にいれるようにして
感じてみる。
まやさんが
イタリアの古典の
月のうたを
イタリア語で
うたいだす。
まやさん
月の女神
みたい。
(大阪にかえってから
この月のうたの歌詞を
おしえてもらう。
“優雅な月よ
自然のすべてのものに
愛の言葉を吹き込む
優雅な月よ…”
こんな歌詞だったらしい。
あの夜に
あの時に
ぴったりの歌だった)
いま
自分が
どこにいるのか
何歳で
なにをしているのか
自分が
男なのか
女なのか
人間なのか
わからなく
なってくる。
ただ
海があって
月があって
夜がある。
でも
ごはんの
つづきを
たべなければ。
食卓にもどると
電気の光が
まぶしい。
おいしすぎる
ごはんのつづき。
黒糖焼酎の
酵素ジュース割りをのむ。
ごはんも
おいしく
味わって
ひといきついて
また
うみへ。
月はもう
あかくはなく
高くあがり
なみなみの雲に
みえかくれしている。
やっぱり
さっきの月は
さっきだけだった。
いまの月も
いまだけ。
はだしになって
うみにはいる。
ああ
きもちがいい。
月がうつる海。
月の光が
海にとけて
なみがとろとろに
なっている。
目をとじて
自由にからだを
うごかしてみる。
目をとじると
身体が
うごきたい動きが
みえてくる。
胸が
いっぱいになる。
もう
これ以上の
しあわせはないと
おもう。
声をだしたい。
まやさんと
はもるみたいにして
自由に声をだしてみる。
月のかみさま
ありがとう
海のかみさま
ありがとう。
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04月05日(金)
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