ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
[8684hit]

■奄美大島の旅6(忘れそうになりつつもがんばってかきなぐる)
【3月29日】

7時に目覚める。
くもり空。

しあわせでいっぱいだ。

おきてすぐ
はだしでうみにゆく。

うみに
あさの挨拶。

なめらかな水。

もったりと
つつんでくれるようで
安心する。


まやさんもやってきて

「なんか、
ここには
 足りないものも
 いらないものも
 なにもないねー」

という。



ほんとうに
そう!



完璧な世界だ。



足りないものもない
いらないものもない。


さえぎるもののない
太陽めぐる
ひろい空

ここちよい空気

はだしになりさえすれば
きれいな水に
足をつけることができる。

耳にここちよい波の音
風のおと。


生きているものに
かこまれていることの
心地よさ。


なんてぜいたく!



7時45分から
朝ごはん。


海藻と豆腐のお味噌汁。
ふきのとうみそ
にんじんのサラダ風
海藻入りの卵焼き
おさかな。

そして
おとなりのテーブルの
おかあさんがつくった
パウンドケーキ。


窓の外には
ここちよさそうに風にゆれる
アダンの葉っぱ。


とろんとろんと
よせては返す波。


ぶあつい雲の
くもり空。


雨がふらなければ
いいなあ

おもってから


あ、
でも
きっと一番いいように
かみさまが
してくれているんだ

おもいなおす。



ふと
大阪での自分の生活が
ミニチュアを上からのぞくように
みえてくる。


仕事
音楽活動
相棒とのくらし。


ほんとうに
大切に
したいことが
みえてくる。

いらないものが
みえてくる。


いままで
考えたことがなく

でも
心の奥底で
うっすらと
感じていたこと。


それが
くっきりと
みえてくる。


ごはんを食べながら
まやさんに
語りだすわたし。


わたしの
やりたいこと
そのために
すてなければいけないもの


自分でも
意外なこと


自分で
びっくりしながら
おもいが流れるままに
きいてもらう。


ありがとう
まやさん。


人生を
てのひらにのせて
眺めるような


とても
ふしぎで
大切な
朝ごはんだった。


あの
ひととき

いきたくても
なかなか
いけない場所に
いかせてもらったように
おもう。





さて
いよいよ
シーカヤック。


9時に
ガイドをしてくれる
リトルライフの天野さんご夫妻が
迎えにきてくれる。


わたしは

“山はだいすきだけど
 海はこわくて
 これまで
 ちかづくことが
 できませんでした。
 これを機に
 すきになれたら
 うれしいです。”


…というようなことを
前もって
伝えてある。


わたしたちは
水着の上に
ぬれてもいい
服を着て

準備万端
部屋でまつ。


9時ちょうどに
おふたりが
やってきた。


天野さんは
想像よりも
がっしりとした体格で
想像どおり
やさしいお顔だった。


奥さんのひろみさんは
目がまあるくやさしく
輝いていて
猫のようなキュートさがある
ショートで小柄の女性。


ふたりの車にのって
まずは
カヤックを車にのせるために
彼らの集落に寄る。


「きょうはね
 大潮で
 しかも昼間に干潮になる
 珍しいスペクタクルな日なんですよ。
 ちょうど昼間に
 干潮になりますから
 さんご礁とか
 もぐらなくても

[5]続きを読む

04月06日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る