ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
[8692hit]

■奄美大島の旅4(忘れないうちにいそいで書きなぐる)
人間の手が
はいっていなさそうな
緑の場所にゆくには

人間の足では
すぐにはゆけない距離
だった。


なにかあった時に
山まで
走ってにげて
ゆけないのだ。


本能的に
逃げ場がないと
感じて

こわくなった。


実は
そのとき
大阪に住むことに決めたのを
すこし後悔した。


大好きな
川や山が
すぐそばにある
仙台に
ひきかえしたいと

おもっていた。


でも
わたしが
住むことにきめたし

大好きな人も
この地にはいる

街には街の
おもしろさがある。

それを
体験したい。

みんな
ここで
たのしく
生きてるんだから
わたしにも
できる。


そうおもって
こわくなった
気持ちにふたをした。

ずっとふたを
しつづけてきた。


その
ふたの中身が
ぷわーっと
ひらいたような
気がした。



わたしは
田舎に育ち
いつも
あたりまえに
自然が
ある場所で
生きてきた。


竹やぶとか
お気に入りの木とか
月とか空とか
川とか風とか
冒険のできる山とか


なにかあったら
そういうものに
助けられながら
育ってきたので

日常の中に
それが
近くにないと

困った時
元気がなくなった時に

どうやって
自分を
力づけたらいいのか
わからないのだ。


“みんなに
 できるんだから

 わたしだって
 がんばって努力したら 
 できるように
 なるはずだ。”


わたしは
そうおもって

がんばって
きたところが
ある。


みんなができても
わたしにできないことが
ある。


自然とのつながりが
うすいところで暮らし
都会のリズムの組織の中で
仕事をしていくのは


みんなにできても
わたしにとっては
けっこう
辛いものだったのかも
しれない。


みんなが
やっていけるのに

できない
自分が
なにか
おかしいと
感じてた。


自分の変さ
うまれもったカタチ

社会での
生きづらさ。


きのうの
ユタ神様に会うまでの
旅のプロセス
まやさんと語ったこと
いろいろなことが
自分の中で
つながってゆく。


自分を
環境にあわせるんでなく

これから
自分の変なカタチにあう環境に
わたしは
動いてゆこう。

そう
おもった。


うっすらと
おもっていたことが

はっきりと
カタチになって
みえてきた。


「きっと
 いま大阪にいるのも
 いまの仕事してるのも
 なにか意味あるんだろうね…」

「どうなっていくんだろうね…」



まずは
できるところから
かえてゆく。

たねを
まいてゆく。


そして
めざすところを
ぶれなく
もちつづける。


そうおもったら
お腹のまんなかが
あたたかく
なるような
感じがした。


あとから
まやさんがいっていた。

「ここ(加計呂麻)にきて、はじめて
 人間よりも自然が強いと実感したよ。
 人間のほうが強いと思うのはわたしのおごりやね。
 自然の方がうんと強い。
 だから大丈夫。
 回復に時間はかかるかもしれないけど
 大丈夫やとおもった…」


うん
わたしも
そうおもう。




どれくらい時間がたったのか
わからないが

そろそろいこうか…と
ゆるゆるお店をあとにする。


「まやさん、飛行機でね
 とってもすてきなご夫婦にあってね…」


飛行機で出会ったほかほかご夫婦の話を
まやさんにする。


[5]続きを読む

04月04日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る