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へそおもい
by はたさとみ
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■奄美大島の旅4(忘れないうちにいそいで書きなぐる)
食欲旺盛な
わたしたち。


海沿いの
デイゴ並木の道にでると
教えてもらった
たこ焼きやさんは
すぐにみつかった。

小さな小屋で
海の男的な
無口なおっちゃんがひとりで
やっている。

その店の名は
“かなめちゃん”

なんと
かわいらしい。


「食べるものありますか?」

「えっと、焼きそばか、オムライス」


「じゃ、オムライス!」

「わたしも、オムライス!」


デイゴの木の下の
素朴な木製の
テーブルといす。

目の前は
みどりとあおと光が
まじりあう海。


ごつごつと
たのもしく
おどっている
デイゴの木。

江戸時代に植えたという
樹齢300年くらいの木、
5,6月には
赤い花がさくのだそうだ。

それはそれは
南国情緒あふれる
風景だろうなあ…と
想像する。





ごろごろだらだらと
していると
小さなこばえのような虫が
たくさんたかってくる。


ときどき虫をはらいながら
ごろごろだらだらする。

時間の感覚が
わからなくなる。

はやいような
おそいような
タイミングで

ずっしりとした
オムライスがやってきた。

そして
お魚のだしのきいた
お豆腐のお味噌汁。


おいしい。

なんて
元気な
食べモノなんだろう。

波の音
黄色いオムライス
デイゴの木陰。

とても
しずか。


しあわせだ。




顔や腕を
こばえのような虫に
たかられながら
むしゃむしゃと食べる。


食べ終わったころ
まやさんが

「虫が耳にはいってる」

といいだす。


太陽の光に耳穴をむけると
しばらくすると
でてくるらしい。

「あ、さとちゃん、でてきたかも!」

わたしは
耳の入り口まで
でてきた虫を
はらう係。


“かなめちゃん”の人が

「できたばっかりの
 カケロマの黒砂糖だよ」


タッパに入った
みずみずしい黒砂糖を
もってきてくれた。


それをかじりながら
またもやまやさんが

「耳に虫が…!」

そう、
まやさんの耳は
虫にもてもてで
しょっちゅう
虫が出入りするのだ。


わたしも
おなじくらい
耳をだしているというのに。


きっと
わたしの耳にはなく
まやさんの耳にはある
なにかが
虫を魅了しているのだろう。


わたしは
耳は大丈夫だったが
顔を何カ所か
蚊にくわれたみたいに
さされていた。



のちにきくと
その虫は

いまの季節に増える
ナントカ蚊という蚊の一種で

ひとの肌にとまって
てくてくとしばらくあるいてから
肌をさすのだという。

だから
すぐに払えば
さされなが

ほっとくと
服の中にあるいて
入り込んで
中でさしたり
するのだそうだ。


虫にたかられながら
満腹になったわたしたちは

お勘定をすませて
(なんと500円だった!)
デイゴ並木を
むこうまで
散歩することにする。


しばらく
あるくと


ホットリップスと
看板のついた
カフェをみつけた。


ちょうど
珈琲が
のみたかったところ。

石垣の
門をはいって
グリーンの庭に

パラソルのついた
白い丸テーブルが
いくつかおいてある。


いい感じ。


またここで
だらだら珈琲を
のむことにした。


ぽつりぽつり
いろいろな話を
しながら

だらーっと
すごす。


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04月04日(木)
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