ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■訣別 貳

「けっこうはよぅ出てきたやん?」
その声の主を見て、堕威は驚きに目を見開いた。
そして一瞬にしてその瞳は嫌悪の色を帯びる
「・・・・・何でお前がおるんや・・・kisaki・・・」
kisakiはニヤリと笑みを深くして、
堕威の方へと寄ってくる。
「何や・・・えらい嫌われようやなぁ、俺・・・」
「お前が悪いんやん・・・・あんな・・・あんな事するから・・・」
堕威はkisakiを睨み付けたまま一歩後に下がる。
逆にkisakiは笑みを浮かべたままつかつかと歩み寄っていく。
「あんな事って・・・京を煽るとか・・・?」
そうして堕威の後方を眺める。
堕威が振り返るとそこには京が立っている。
京はつかつかと歩み寄り、堕威の腕を握ると
kisakiの頬に拳を思い切りめり込ませた。
「あれだけ言うてわからんいうんは・・・・覚悟決めとるいう事やろなぁ・・・」
京は怖いほど静かにkisakiに話しかける。
「・・・こぇえなぁ・・・京・・・お前眼光で人殺せるわ・・・」
しかしkisakiは気にもせずに喋り続ける。
京はぎりっと歯を鳴らし食いしばった。
そしてもう一つ拳をめり込まそうと動いたその時・・・
ゴスッ・・・!!!!!!
kisakiの躰が宙を飛んだ。
横を見ると堕威が拳を突き出した形でkisakiを睨んでいた。
「だ・・・い・・くん・・・・・」
「ほんまサイッッテーな奴・・・!!」
堕威はそう吐き捨てるとそのまま駐車場へと歩いていく。
京は数瞬呆気にとられていたが、
ハッと気付くとその後をいそいそと追いかけた
去り際に、チラリとのぞき見た奴・・・。kisakiだが・・・
その顔を見た時、京は柄にも無く鳥肌の立つ思いがした。
去り際に見たkisakiの顔は、
酷く狂気じみていた・・・・。





「堕威くん・・・!!!」
走ってやっと追いついた京は堕威の背中を見付けたとき、
あからさまにホッとした。
追いついて堕威の手を握る。
そうして堕威の顔を見て京は驚いた。
堕威の顔は涙に濡れていたのだ。
「だっ・・・堕威くん!?どないしたん!!??もしかしてkisakiに・・!!」
京はそう言って顔を青ざめさせるが堕威は顔を横に振る。
「ちゃうねん・・・・何もされてないねん・・・」
堕威は頬を涙で濡らしながらそう一言。
京はそんな堕威を見詰め、
徐に手を伸ばし頬を包んだ。
「堕威くんどないしたん・・・?言うてみぃ・・・?」
堕威は自分の頬にあてがわれている京の手を握りぼそぼそと言葉を紡ぎ出す。
「俺の・・・俺のせいで・・・嫌な思いさせている・・・・から・・・・京くんに嫌な思いさせるん嫌やねんで・・・・やから悲しくて・・・ごめんなぁ・・・」
堕威はまだ治まらない感情の発露に言葉を上手く出せない様だ。
だが、京はそれを根気よく聞いた。
「何言ってるん・・・・悪いんはkisakiや・・・堕威くんは悪ぅないよ・・・」
京はそう言うとそのままぎゅっと堕威を抱きしめる。
堕威は抱きしめられたまま
それでも涙を流し続けるのであった。

続く


02月19日(水)
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