ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■狐の嫁入り2
「んっ・・・・・・」
目が醒めたら其処は暗い部屋の中だった。
畳の匂いと湿気た空気が鼻腔を刺激する。
だんだんと暗闇に目が慣れてくる。
其処は広い御簾の内であった。
どうやら小さな洞の中らしく、御簾の外壁は岩で覆われている。
壁際伝いに歩いていると扉を見つけた
押してみるとキィと小さく鳴き扉は開いた。
そのままゆっくりと扉を開け外に出てみる、
すると其処は山深い村の集落であった。
人々は各々に井戸端会議に華を咲かせたり、物売りをしたりしている。
っと、一人がこっちに気付く。
「おーい!!贄が起きたぞー!!」
その言葉に俺の方を此処にいる全員が見る。
その顔は一様に狐の様につりあがった目を持ち、薄い唇をしていた。
俺はその様子に恐怖を覚える。
一人が俺の手を踊る様に取る。
「ささっ、おいでませぇ、頭がお待ちですぇ」
まわりの人々はにやにやと笑いこっちを見ている。
その視線を避けたくて、目をつむりながら着いて歩く。
そうしていると、いつの間にか俺の手を引く人物は居なくなり、
一つの大きな屋敷の前に俺は立っていた。
俺はさして何も考えず、誘われるかの様に屋敷に入っていった。
美しい日本庭園を抜け、料亭の様な母屋の中へ。
初めて来るところなのに何故か足は一方方向へしか動かない。
そしてある部屋の前で立ち止まる。
まわりの襖は平常通りの白なのに対し、
何故かそこの襖は血の様な赤で彩られていた。
ゆっくりと襖を横に滑らせる。
中は一面真っ赤に染まっていた。
ただ、その中に座る一人だけが白を纏い、こちらを見ていた。
「・・・・・今回の贄?」
彼の声を聞くなり、俺の体はあやつり糸が切れたかの様に床に崩れ落ちる。
実際、彼の意志に俺は操られていたのかもしれない。
彼が俺の方へ歩いてくる。
顎をぐっと捕まれ一瞬息が苦しくなった。
「綺麗な赤い髪・・・・気に入ったよ・・・」
そしてそのまま深く唇を奪われてしまった。
閉じた瞳の裏には赤い残像がいつまでもこびり付いて離れなかった・・・
続く
01月13日(月)
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