ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■雨の足跡、帰り道。

しとしとしと

窓を打つ雫は悲し気な色を纏い僕に立ち向かってくる。

そこに有る窓は彼等には関係ないのかもしれない

僕はその一粒一粒をちらり、ちらりと見ていた。

「敏弥何してん?」

そこに堕威くんが通りかかる。

ねぇ、君は知らないでしょう?

僕が今この粒達の様な色の気持ちを持ってる事。

どんより、暗い、立ち込めた色。

君には届かないと押し込めた思いがくだけ散って全身に刺さってるから・・・

僕の気持ちは黒く濁ってしまった。

君に出会った瞬間のあの輝く色はもう遠い。

夢想していただけのあの頃、夢想しかできない今

過去と現在は似ている様であって深い亀裂にはばまれている。

ねぇ、いっそ言ってしまえば楽かな?

「んー・・・・・雨粒の濁った色見てるのー」

「どこが濁ってんや〜〜?」

堕威くんには見えないのかな?

この淀んだ空の色に染まった天粒が、

「俺にはぴかぴかして見えるんやけどなー。まるで敏弥みたいやで」

「えっ!?どこが!?」

僕は堕威くんのあまりの発言についつい聞き返してしまう。

「敏弥の笑顔、いつもぴかぴかやん!めっちゃかっこよくて俺好きやで」

堕威くんは俺ににこにこと微笑んでくる。

その笑顔の方が何倍もぴかぴかだと僕は思った。

「僕も・・・・僕は堕威くんの何もかもが好き・・・・・」

だからだろうか、すんなりと気持ちが言えたのは。

堕威くん本人はびっくりしたみたいで目をまんまるにしてる。

あたりまえだよね、男からの告白なんてキモいだけだし。

「・・・・・それマジ・・・・?俺自惚れてもえぇん?」

しかし堕威くんからは以外な言葉、

ハッとして堕威くんの顔を見ると凄く真っ赤で目尻に涙がたまっていた。

「堕威・・・・くん・・・・・」

「お・・・・俺も・・・・敏弥の事大好きやねん。キスしたいくらい好き・・・・」

堕威くんは切な気な顔でこちらを見つめていた。

僕はそんな堕威くんが愛おしくてたまらなくて、ぎゅっと抱き締めた。

窓を振り返ると天粒はスカイブルーに変わっている。

空は真っ白な千切れ雲が流れ、しだいに雨粒たちはただの水滴になっていった。

僕たちはその中を手を繋いで歩く。

お互いの脈を確かめあう様にしっかりと握り締め。

そう

それは

水滴滴る草場の影でお互いに唇を触れあわせた雨上がりの帰り道。



END



たまには可憐な攻めとっちってのも有りかと思いまして。
01月08日(水)
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