ID:31657
to Die
by 293とうめこ
[440339hit]

■銀貨高校〜化学教師敏弥〜5

銀貨高校は、この地域でも有名な私立進学校である。
毎年、他の高校の倍も高い倍率をはじき出し、
お金を出してでも入学させたいという親の声も何のその、
学力+面接+αという気になる採用基準を要している。
+αの部分は様々である。
一芸に秀でているものから性格が良いものまで、
無限大の採用基準が其処には有った。
面接官3人が面接の中でみつけた何気ないその人物の特徴、
+αはそういった部分の評価になる。
頭でっかちなだけの者には入れない超進学校であった。
そして
不思議な事に、銀貨高校は女子の人数が異様に少ないのである。
全校で男子9割に対し女子は1割、
女子の居るクラスは他クラスの生徒にオアシスと呼ばれている。
堕威の編入したクラス---2年8組なのだが---は
はずれ組・・・つまり男子ばかりのクラスであった。
まぁ、堕威は編入時、体育コースを選択していたので予測していた結果ではあった。
が・・・・・・・
『ここホンマに体育コースか・・・?』
堕威はぐるりと教室を見渡した。
体育コースとは、
臭い、汚い、気持ち悪いの3Kを持ち合わせた教室を住処とし、
日々、エロ話やおちゃらけで生きているはずだ。
(実際堕威が前居た学校の体育コースはそうであった。
堕威は普通科であったが、その体力を見込まれ
途中で一人クラス替えするという悲しい状態に陥っていた)
しかし、このクラスはそんなものまったく無かった。
教室は綺麗だし、周りにいる生徒は青臭い感じがまるでなかった、
逆に皆個々の趣味にあわせた、ファッショナブルな装飾品をしている。
髪型もファッション雑誌から飛び出してきたかの様にきまっている。
『こっ・・・ここは堀●学園やったけ・・・』
このクラスで、自分は一人だけ浮いている様な気がしてならない堕威であった。
「堕威くん、はよ着替えんと遅刻んなるで?」
堕威はその声にハッと我を取り戻した。
隣には既に体操服に着替えた京が立っていた。
堕威はボタンをはずす途中で手が止まっている。
「あっ!ごめんな!すぐ着替えるわ!!」
堕威はYシャツをパッと脱ぎ、ベルトに手をかけた・・・・
が、そこから先に進めないでいた。
何故なら京がまじまじとこっちを凝視していたからである。
「あの・・・あのな?京くん、そう見られてると恥ずかしいんやけど・・・」
堕威は情けないなぁ・・・っと思いつつ京に素直に訴える。
「あっ、ごめんなぁ〜!いやぁ、堕威くん以外と細いなぁ思て。筋肉つかんタイプやろ?」
「うん、貧弱で嫌やねん、こんな躰」
堕威はサッとズボンを脱ぎ短パンに履き替える。
そしてハチマキを片手に、ため息混じりなそのセリフを吐いた。
「しかも何かエロいよなぁ」
京は下から堕威をニヤニヤ笑顔で見上げてくる。
堕威の方はいきなりそんな事を言われ驚いている。
「えっ!?なっ!!何言うてんの!?自分!!」
京はそれを見てケタケタと笑っている。
堕威は真っ赤になって京の方を睨み付けた。
そうやって玄関まで出てきた時、
キーンコーンカーンコーン
授業開始3分前を告げる鐘が校内に木霊した。
「げっ!これ予鈴やない!?はよ行かな!!」
「えっ?あっ!ホンマや!!走れ!!!」
堕威と京はグラウンドへと駆けていった。
そんな彼らを敏弥が窓から見つめていた・・・・・。

続く
11月06日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る