ID:31657
to Die
by 293とうめこ
[440339hit]
■銀貨高校〜化学教師敏弥〜
爽やかな風があたりを駆け抜けている。
紅く紅葉した木々が眼に優しい。
今、季節は秋、最上級生は受験に躍起になっているこの季節、
私立銀貨高校の前には見慣れぬ制服を身に纏う一人の青年が立っていた。
彼の名前は堕威、
今日、この銀貨学園に転校してきたのであった。
「うぉー、流石私立、でかいなぁー」
何故、この季節に転校かというと、
堕威は元々、母子家庭であった、
その母親が、つい一ヶ月前に不慮の事故で死んでしまったのだ。
そこに、この高校の理事を務める祖父からお声がかかったのである。
堕威の母親は、堕威を一人で育てると言って、誰にも頼らず今までやってきた。
それは祖父母にも同様で、今、その母親が死んだ事により、
今までふれあえなかったものを補うかのように祖父母達が手をかけにきた。
堕威にとってはそれは願ってもない事であった。
母が死に、身寄りが無くなったものと思っていた堕威であるが、
祖父母が葬式の場で自分を呼んでくれた時は正直、嬉しかった。
堕威は今まで育ててくれた母にも感謝しているが、
殆ど会った事も無いの目をかけてくれる祖父母にはそれ以上感謝している。
堕威は髪が紅く、色々と悪い噂も出回っている。
それを祖父母も知っているだろう事を思うと今以上に嬉しく感じるのだ。
「なぁ、あんた転校生なん?」
そうやって、思考の海を彷徨っているとふいに後から声がした。
「えっ・・・・」
振り返ると金髪で、口や鼻にピアスを付けた一回り小さい青年が立っていた。
「学年は?3年?2年?お前それで1年やったら殺すぞ」
「えっ・・・2年やけど・・・」
堕威はいきなりの事に目を白黒させている。
「おっほな俺と学年一緒やないか!運命やな★」
『なっ・・・何やこいつ・・・』
もしかして不良仲間だと思われたのだろうか・・・と堕威は辟易した。
「俺、京いうんや、このガッコの2年やねん。お前、俺のクラス決定やな」
「えっ?なっ・・・何でやねん・・・」
「それわなー・・・説明めんどくさいわ!じゃあまた後でな!!!」
そういうと京はスタタタっと走っていってしまった。
続く
10月26日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る