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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■「南方人物周刊2017-4-24」 金城武の隠れ身の術・4
パリだからって、何なの?
許依萌が初めて金城武を目にしたとき、彼はちょうどスタッフで一杯の部屋で、
衣装の試着をしたり、撮影をしたりしている最中だった。
許依萌は黙って離れたところに立ってて見ていた。
撮影が半ばを過ぎた頃、金城武が許依萌の方を向いて言った。
「誰か紹介してくれない? あそこにいるのは誰なの?」
こんなざわざわとした環境にあっても、
金城武は見知らぬ人の視線を敏感に感じとり、気にする。
とても20年以上スターの座にある人間らしくない。
スターというのは普通、人から見られることを喜ぶものであり、
少なくとも気にしない修練は積んでいる。
ところが金城武は逆の方向に修練を積んだようだ。
10代でデビューした頃は、努力して適応しようとしていた。
21歳のときのインタビューで、
「ファンが写真やサインを望むときは、
できるだけ叶えてあげるようにしています」と話している。
数年後、彼は修練を積み、
いやだと思うことを直接表現できるようになっていた。
写真を撮ろうとする人がいると、
スターは通常、自分自身は微笑みをたやさず、マネジャーに対処を求める。
金城武はマネジャーが口を開く前に自分で、撮らないでと言うのである。
「スターが、こうしたファンに関わる困った問題を
自身で解決しようとするのは見たことがない。
おそらく気分を損ねることになるだろうから。
彼は真っすぐな人だ」とピーター・チャンは言う。
「気持ちに偽りがないのはとてもいいと思う。
表と裏が違う俳優は多いが、君はまったく同じだ」と、
直接金城武に言ったこともある。
だが、金城武は、そういう褒め言葉は辞退する。
「ぼくだって、そういうとき、ありますよ。
特にこの仕事を始めたばかりの頃は、どうすることもできず、
巻き込まれて、そういう状態になっていました」
良く知られるように、彼はオタクである。
撮影時には、ほとんどホテルの部屋を出ない。
ホテルのスタッフが掃除に来ると、アシスタントの部屋に移り、
終わると戻ってくる。
プロモーションのときの撮影は、スタジオではなく、
泊まっているホテルで行うことを望む。外に出なくていいからだ。
ずっと以前には、彼も外食をし、ナイトクラブで酒を楽しんだ。
しかし、この金城武が、あの”金城武“のイメージを守らなければならないと
意識するようになってからは、あまり食事や飲みに行くことがなくなった。
時には、親戚や友人の強い抗議に会うこともあった。
彼を連れて出かけると、サインや写真をねだる人々が
ひっきりなしにやってくるのだ。
友人は機嫌悪くなり、そうした人々と、
「ぼくらは食事してるんだ」と言い争うことになる。
誰もが不機嫌になるが、金城武はそういうとき、うまく収めることが苦手だ。
仕方なく、ますます出かけなくなる。
正月の親戚の集まりも、彼は参加しない。
初めは年長者に叱られたが、やがて理解して、
彼らの方から、来なくていいよと言ってくれるようになった。
もしも、今も映画製作が好きでなかったら、
公衆の面前から姿を消してしまっていたのではないだろうか。
しかし映画も、2つの部分に分かれている。
楽しい撮影と、辛い宣伝だ。
芸能人は普通、マイナス面の報道、
あるいは恋愛・結婚などのプライバシーに触れられるのを気にする。
金城武は、この気にする範囲が非常に広くなってしまい、
私生活のこと、映画に関係のないことを聞かれるのは、ことごとく気にする。
たとえ、それが彼のイメージをあげるような話題であっても。
彼は、真の金城武を取り出して人に見せることは、本当にしたくないのだ。
役を作り上げること以外に、世間と公の場で話しなどしたくないのである。
あの“金城武”は殻を支えて、本物の金城武を中に入らせ大声で叫ばせる。、
「僕が誰だか知ろうとしないで。知って、どうするの。
ぼくは絶対あの金城武なんかじゃない。
ぼくはあなたたちのために彼を守ってあげるんだよ」
これが30歳を過ぎて達した修練の結果なのである。
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06月29日(月)
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