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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■ELLE MEN(中国)の記事(2)●中華電信代言人発表?●本当だった!
昨日の続きです。


自ら魅力を消すことは、まともなことだ

かつてサンドラ・ンが金城武を「そこにあるTシャツを着て外に出るのよ、
どこがスターなの?」とからかったことがある。
金城武の、衣食住などの日常生活への要求は低い。
友人が食事に連れていけば何でも「すごくおいしい」と言ってもらえる。
仕事であちこち旅行するときも、彼は何でも満足で、
その理由は「行くたびにみんながおいしいものを食べに連れて行ってくれるし、
きれいな景色を見せてくれるから」

たとえ美貌という映画界への通行証を持っていようと、
金城武はずっと己の魅力を消すのに長けていた。
奇妙なことばかり言うオタク気質は魅力を消すための大きな武器である。
ただ、この特質が、彼をごく若いころにウォン・カーウァイに認めさせ、
逆に男神のイメージを消し去ることを不可能にしてしまうことになる。
そして、孤独癖、デカダン、情の深さ、誠実で率直、自由、技術オタクなどの多くの特徴が、
彼が有名になり、大人になっていく過程で次々と発見され、表に出されることになった。

一番意外な一面は、ここ数年でジョン・ウーが掘り出して見せた“ユーモア”であろう。
曹操を赤壁で火攻めにするとき、この史上最もハンサムな諸葛亮は、
ひたすら扇をあおぎながら「冷静を保たねばなりません」と言う。
耳をふさいだりとか、周瑜と古琴の合奏をしたりとか、こうした萌え行動も、
「いささか存じております」と同様、三国志を若者たちの話題にしたのだった。

美貌と名声は悪くない鉄の仮面に過ぎない。
この鉄仮面に守られた金城武は、自分の欲するものを一貫してはっきりと知っている。
30歳を超えて、彼の映画の道はますます安定し確かなものになってきている。
監督、脚本、製作規模、いずれも彼が出演を決めるときの重要な検討条件だ。
ジョン・ウーとは5年ぶりに「太平輪」で仕事をするが、これもまたその基準に立っている。

去年、彼はフェイスブックにかつての香港四大天王と一緒に撮った写真をアップし、
“Long long ago.”と感慨深げだった。
彼はむしろ喜ぶべきだったかもしれない、
それがすでに“long long ago”であることを。
初期の彼のにはあるかっこよさは見られるし、特色ももってはいたけれど、
大勢の帥哥アイドルたちの中にあって、もし独自の道を取っていなかったら、
とっくに忘れられていたかもしれないからだ。

年月が経ち、かつて“オタクの中のオタク”の謎と評されたことで、
彼はすでにある種悟りを得た状態にあり、スキャンダルもなく、
恋の噂さえないのだと広く認められるようになっている。
この1、2年は、噂ということで言えば、別のもっと直接的視覚の問題へと向かっている。
「老けたんじゃない?」ということだ。
カンヌ映画祭での「太平輪」記者発表会で、金城武のおじさま的風貌は日ごとに濃くなり、
何人もの共演者から「金城武さんの映画を見て育ちました」とまで言われた。
いったい歳月は本当に男神の肩書を追いやってしまうものなのだろうか?

実は、“男神金城武”というのは1つの硬い外皮であり、
“オタクの金城武”を完璧に収納して、その様々な変わったところを包み込み、
彼が守っているものを」大事にしてやっているのである。
陳昇によって「野暮なあんちゃん、天母のおばかさん、野卑なウドの大木」
などとまとめられた特質もその中に含まれる。
であるから、外皮の中のあの精神は決して老いることがない。
彼のことを好きな人にとっては、それで十分だ。

“オタクの金城武”はヘルメットをかぶって台湾の街をのほほんとバイクを走らせ、
南極大陸で悲しげにペンギンとあざらしの死を見つめ、
奈良公園でいそいそと子鹿をなで、台東の大木の下でお茶を飲む。
もちろん、家でゲームをしているほうが多いのかもしれないが。
たとえ「太平輪」で人がみな前線で生死の境をさまよっても、
彼は軍医であり、後方で砲撃の音や煙を見、乱世とうたかたのごとき人生の
一幕一幕を目撃するのだ。


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07月07日(月)
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