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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■雑誌記事(智族GQ7月号@)
やっと「GQ」まで来た……
出たときは、さらっと読み流したけど、今読みなおすとなかなかいい記事でした。
金城武 気ままに遊ぶ
私たちが金城武の近況を知るのは、ほとんど、彼が新しい映画に出たときだけだ。
彼は、自分自身を、今度はいかに打破するのか、みなが知りたがる。
昨年のほとんどの時間をかけて、金城武は少しずつ、1人の探偵、
四川方言を話し、旧式の丸眼鏡をかけ、丈の長い中国服を着て礼帽をかぶり、
無精ひげをはやした、風変わりで薄汚れ、偏執的なまでに断固とした1人の男になっていった。
これは「武侠」における、彼の新しい実験だった――他の男優に比べ、
金城武には度外れた努力が要求される。
観客に、その群を抜く外見を思わず忘れさせ、
役に忠実に、しかしわざとらしくなく演じることの間のバランスは、決して容易ではない。
長いこと、彼は自信を持てないできた――
幸運。彼は自分への注目を、そのおかげと考える。
一貫して謙虚な態度で、腰が低い。
1年に1本、作品に打ち込み、大スクリーンで自分の変化を検証し、少し安心する。
今回、彼は徐百九を演じたが、全く違った別人になりきれず、
絶えずしかめる眉頭には、相変わらず様々なクエスチョンマークがおどっていた。
こうなんだろうか? これでいいんだろうか? なぜ?
ただし、これまでの若きウェルテル風の不安は、既に、成算ある自信へと変わっていたのである。
同じ男優を、ピーター・チャンは2回を超えて起用したことはない。
金城武はその前例を破らせた。
「武侠」は2人の3作目の仕事であり、金城武に2度目のカンヌ行きをもたらした。
ピーター・チャンは「武侠」によって、武侠≠フ新しい定義付けを試みた。
これは確かにかなり大胆であった。
プレミア上映が終わったとき、スタッフロールの字幕がまだ終わらぬうちから、
満場はすでに起立して拍手を送っていた。
金城武は人々の中にあって、歓びを抑えられぬ表情で、思わず、その場でぐるりと一回りしたほどだ。
成功だ、と彼は知った。
コンペティション作品でないといえども、「武侠」は疑いなく、
今年のカンヌ映画祭で最も注目を集めた中国語映画だった。
栄誉を共にしたという他に、彼はほっとしてもいた。
自分が面白い実験と考えていたことを、みんなもいいと思ってくれたんだ……。
プレミアの翌日、私たちはアンティーブで彼に会った。
時計の針はまだ9時を指していなかったが、
金城武はもうカメラマンの求めにこたえ、はだしで岩の上にのぼっていた。
眼を細めて、興味深そうに対岸の大小の白い家の屋根と遊覧船を眺めていた。
日の光が細かい金の粒のように海面を漂っている。
まるでカンヌが海を越えて遥かに送ってくる秋波のようだ。
昨夜、レッドカーペットでまばゆく光っていたフラッシュと、
いたるところであがっていた歓声は、既に朝もやと共に消えていた。
彼はこんなふうに身を局外に置いて、気ままにタバコに火をつけ、肩の力を抜き、
全身リラックスできることを楽しんでいた。
金城武にとって、守らねばならないどんな規則もなく、自分の望む自由気ままさだけがある。
金は必要なだけあればよく、自分をアピールする必要は少しもない。
「面白い」のでありさえすれば、彼の心は自由にはばたく。
天才ではないと思っており、芸術に全てを捧げる一徹な愚か者を気取ることもない
――トニー・レオンはかつて、焦りと恐れのあまり夜中に目覚め、
自分の昔のビデオを繰り返し7回も見直して、どこが問題か探したことがあるという。
金城武から見ると、こんな貴重な時間は、ゲームをするのにあてれば、もっと本物になるのである。
打ち込むが、執着はしない。
しばしの時間を心行くまで楽しむために、彼は最高の境地からは少し距離を保つことを好む。
様々な可能性を試して総括することで、心から満足する。
俳優の単純 23:50
徐百九を演じるまでに、金城武の芸能生活は既に21年になる。
この間、何か変化は?
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08月13日(土)
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