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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■雑誌記事(外灘画報A)
続きです。
神秘のイメージを「打ち破る」
アンディ・ラウが記者に言った。
「ぼくは生まれつき田野を駆け回っている人間で、神秘にはなれない」
彼の言っている神秘とは、金城武のことを指している。
アンディ・ラウが代表するのは、芸能界の大多数のスターだ。
彼らは高い露出率を保たねばならない。
絶えず、映画に出演し、コンサートを開き、様々な商業イベントに出席し、
社会的活動を行い、
それによって、自分の人気の高さを確かなものとするのである。
外部から見ると、金城武はトニー・レオンとおなじく、
主流とは別のマイノリティ・グループに属している
――神秘的で控えめで、全くの異星人なのだ。
「打倒」金城武は、実は特に困難なミッションである。
彼は演技上なら、最も積極的な一歩も踏み出すことができるだろうが、
個人生活における性格面では、変化は非常に困難である。
なぜなら、常に意識的に大衆や芸能界から安全な距離をとっているからだ。
この10年、彼の映画出演は平均して年に1本で、
映画のプレミアのときを除けば、ほとんど外に出ず、公の場に顔を出そうとしない。
トニー・レオンは早くに影帝の地位を確立し、功成り名遂げているが、
金城武はいまだに何の受賞歴もないにもかかわらず、
やはり、映画界での地位を保ち続けることができる。
ピーター・チャンは、金城武は実はとてもかわいそうだと思っている。
というのは、この種の男性は人々とは疎遠であると感じているからだ。
「誰にでも好かれるが、誰も彼と友達になろうとはしない」
金城武には強い自己防衛意識があり、
自分の生活やプライベートは決して明らかにしようとしない。
彼が契約している台湾の福隆経紀公司は、10数年の間、マネジャーを替えず、
マネジャーも彼を保護すること、なかなかに厳しい。
金城武の取材はひどく面倒で、まず、いくつもの審査をくぐりぬけねばならず、
かつ、写真撮影禁止、サイン禁止と、ルールが非常に多いのである。
撮影現場では、監督など以外で、金城武に近づきたいスタッフの多くが、
恐れを感じていた。
彼が現場に加わるとき、アシスタントは、彼は絶対誰にもサインはしませんと言明した。
映画の撮影が終了したとき、彼は撮影チームから去る前に、
30分以上かけてサインをほしがる現場の者たちのノートや写真に
1つ1つ、全部サインをしていったのである。
メイキング撮影担当の小杜は、初めは遠くから金城武を撮るしかなかったと明かした。
3、4日経って、小杜が彼の周囲でしていた仕事を見て、明らかに信頼したらしく、
それからは小杜はやっと近くで彼を撮影することができるようになったという。
ホテルでは、ルームサービスとネットさえあれば、外出せず、
何日も部屋で過ごすことができた。
「ホテルの料理はそんなにおいしいのか?」と聞かれると、
「まずいけど、他の人に面倒をかけたくないから。
ぼくが外に出ると、スタッフを悩ましてしまうんだ。いろんなことが起こってしまった」
と答えるのだった。
金城武が東京暮らしを好むのは、出入りが便利だからである。
だが、両親は台湾に住んでいるので、いつも2つの場所を行き来している。
この世界に入って10数年、金城武は青春アイドルから今日の37歳の成熟した男になるまで、
「家族を守ること、自分のプライバシーをきちんと持つこと、これは決して変わりません」。
「彼に人を信用させるようにするのは、なまなかなことではない」
とピーター・チャンは打ち明ける。
初めて金城武と仕事をしたとき、彼は武が周りの人間を少しも信用せず、
他人の言うことを、いつもすぐそのまま受けとめないのに気がついた。
「仕事を一緒にするなかで、彼に言いました。
周りの人は君を騙すんじゃなくて、みんな善意で、
みんな仕事に必要だからコミュニケーションを撮ろうとしているんだよとね。
そこでようやく彼も少しずつ自分を開き始め、あまり恐れなくなってきたんです」
10月11日は金城武の誕生日だった。
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08月07日(日)
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