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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■號外1994年11月号@
GQ取材記は、まず何よりも最新の金城さんに触れられるということで貴重な記事でした。
何しろ去年4月以降、音沙汰なしの方のたくさんの言葉なんですから。
そして、それを引き出し、こんなに豊富な内容にして下さった方莉さん、
教えて下さって翻訳に押し出して下さったDolphinさん、
途中、そして終わってからねぎらいの言葉を下さったみなさん、ありがとうございました。

しかし、考えてみれば、他に何もないから、こんな長いのに取り組めたんですね……
いや、考えまい。

物の勢いで、気になっていた昔の「號外」誌の訳もやっちゃいました。
ちょうど15年の間を置いた2つの取材記事を読み比べてみるのも面白いかも知れません。
前に赤壁戦記さんでこの記事について取り上げてらしたと記憶してるんですが、
見つからない……検索かけても膨大すぎて……それとも記憶違いかな?


         

金城武はこんなに良かったのか

金城武のことを知ったのは、2年余り前、台北で彼の「分手的夜里」を耳にし、
半分洗脳されたかのような状態で、彼のカセットテープを買い、聞いてからだ。
台北の人達は音楽を聞くのが大好きで、タクシーはもちろん、
セブンイレブンの中でさえ、流行歌を流している。
「分手的夜里」はその頃大人気で、1日14〜15回も聞いたものだ。

だが金城武を好きになったのは、
カセットテープのケースに印刷された写真を見てからである。
好みというのは奥の深い事柄で、ある人、あるものを見て、
一目で好きになったり、嫌いになったりする。
しかし私は自分の「好き」という感覚をずっと信頼してきた。

金城武を取材したいと思ったのは、甘国亮(カム・コクリョン)の
「彼には香港の男子歌手にあるチンピラじみたところがない」
と評する言葉を聞いてからだ。

芸能界には全然縁がない私は、幸い香港の男性歌手の
チンピラじみたところを存じ上げる機会はなかった
(ただし、香港の一部の若者たちの薄い眉細い目、大人になりきれず、
こせこせした顔つきが少々いやになっているということはあったが)。
この、歌も歌えば作曲もする、演技も上々の日中混血児に対し、
私はずっと良い印象を持っていたので、
会う前は、失望しやしないかとちょっと心配だった。
結果はそんなこと、なし。
インタビュー当日の午後、金城武と共に語らって、
心の底からこの青年が好きになったのである。
もちろん、まだ若者で、やっと21歳だ。
彼は自分は子どもだとも言った。

「号外」誌のこれらの写真に決してだまされないように。
今回我々は金城武に非常に華麗でダンディな服装をしてもらったのである。
そして、事実、彼自身、100パーセント明るい若者なのだ。

この日、彼が自分で着てきたのは、シンプルそのものの黒いTシャツと藍色のジーパン、
それに先のとがった黒い革靴だった――
非常にかっこよく、シンプルで、彼の年齢に合った服装だった。
実は最もシンプルな服装こそ、最も着こなしが難しい服装でもあるのだ。

彼はこう言った。
もしお金がたくさんあったら、マレーシアに部屋を買うと。
なぜ、マレーシアに?
理由は、なんと、マレーシアには台風がなく、一年中日がよく当たるからだという。

彼は若者であるが、隣の男の子というタイプでは絶対ない。
もし、隣の家に金城武のような男の子とがいるとしたら、
それはまず香港ではないだろう。
金城武は非常に日本的な顔をしている。私は聞いてみた。
「自分のこと、日本人だと思ってる? それとも中国人?」
どちらかといえば日本人だと、彼は答えた。

金城武の話し方には2つの特徴がある。
1つは声の低さだ。歌のときと同じである。
2つめは、とてもゆっくり話すことだ。
ただし、慎重さからというのではなく、
1つ1つの言葉を、これでいいのか考えてから話すのである。
質問に答えるときは、いつも「はい」「いいえ」、
あるいはその他の、簡潔だが意味は十分な一言二言だけになる

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03月07日(日)
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