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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■偶像物語 金城武B
続きます。初めてのドラマ出演の話から始まります。
スター・ストーリー 金城武B
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武 本当は歌を始める前、さっき言いましたけど、連続ドラマに出ました。
先に……なんというのかな、先に演技をやっていて、これがデビューなんですが、
でもCDを出す方が、プロモーションをするから人の目に触れる率が高くて、
より多くの人に知ってもらえる。
だからどっちかというと、CDのほうが正式デビューだと思われてしまうんです。
でも、ぼくはCDの前に1本ドラマに出てました。8時からの。
林福地監督です。出演は、郎さん――郎雄で、ぼくは郎雄の息子をやりました。
他にも、例えば……あ、ああ〜、ド忘れしちゃった、大勢いました。
ぼくの役はあまり勉強が好きでない男の子で、反抗的で、
外に行っては喧嘩している。
ドラマは北京語ですが、台湾語を話す人もいっぱい出てきます。
それは村の人の苦しみを描いているからで、外国で勉強して帰ってきて、
愛情の問題にぶつかっている。
ぼくが初めてドラマに出たときは、実はもう好奇心いっぱいの気持ちだったです。
もっといろいろなことが学べるかも!って。
CMをやっていたから、少しだけど基礎があって演技をするんだと、
ちょっと自信はあって、ドラマに出たんです。
ところが、行ってみたら、初日のことは今でも覚えていますけど、
それは生まれて初めての撮影でもあり、
ちょうどドラマの撮影自体の初日でもあったわけです。
ぼくの最初の出番は、一言だけ、「そんなことないよ」、それだけでした。
このセリフを、20何回かNGを出したんです。
NGの原因は、監督は、感じが違う、と言いました。
20何回のNGで、1回ごとにどんどん緊張してしまって。
監督は多分かんしゃくもちょっと起こしてきて(笑)、毎回毎回、どんどん声が大きくなる。
しまいには、(イライラした口調で)「お前は演技ができるのか!」
「俺の芝居に出演した者には誰だろうと何点かはつけてやるが、
お前は零点だ!」とか、ね。
監督にどなられて、泣きそうでした。
だって、その日は撮影の初日で、大勢の人が取り囲んで、
「わー、撮影だ、撮影だ」って見ているんですよ。
大勢の人が、ぼくが叱られているのを、そこで見てる。
わかりますか、もうほんとうに家に帰りたくなるような気持ちです(笑)。
でも、南部での撮影だったから帰れない。
それで、すごく泣きたくなったけれど、芝居はやり終えないわけにはいかないから、
その場で「そんなことないよ、 という言葉は、一体どんな表情で言ったらいいんだろう、
どこが悪いんだろうと、ずっと考え続けていました。
何人もの人が話しをしてくれました。
監督はどんな感じかを話し、そのうえ演じて見せて、言いました。
「俺を見ろ、俺がやるのを見るんだ。こういうふうにやるんだよ」
それを見たら、今度は副監督がどういう感じでやるのか教えてくれるんだけど、
監督のと違うんです。
「こうやれば大丈夫なんだよ、早くやっちまおうよ」
それから(笑)カメラマンも、どういう感じか話してくれるんだけど、やっぱり違う。
しまいにはどの人の言うことを聞いたら叱られないのか、わからなくなってしまいました。
こんなふうにしてNG20何回出て、やっとOKが出ました。
その日はぼくは出番はそれ1つでしたよ。
終わると、がっくり来てしまって、演技はしたくないって思いました。
監督に叱られるのはとて恐ろしくて、叱られるのが本当に怖かったんです。
泣きたかった、なぜかわからないけれど。
これがぼくの第1作でした。その後、1日1日よくなっていきました。
だんだんと監督もぼくを怒らなくなり、NGの数も少なくなりました。
そして、全部1回OKになる日も増えてきたんです。
それでちょっと得意になって言ったりしました、
「これからはみんな、ぼくのこと、一発OKの大スターと呼んで」って(笑)。
ウォン・カーウァイ監督と仕事をしたときは、ほんとに面白い人で、
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09月29日(火)
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