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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■美麗佳人(marie claire)A
続きです。


8カ月前に戻ると

このアジアの人気俳優は、今まさに真の世界のスターになろうとしている
――「ニューズウィーク」より

もしかしたら、中国大陸と東京を往復する飛行機のファーストクラスで、
眠りこけている金城武を目撃した人がいるかもしれない。
スーツケースは、パソコンとゲーム機と本と防寒下着と即席めんなど
必需品で満杯だ。
これらは撮影の合間の時間のために必要な物なのである。
このころ、彼は「赤壁」のほか、「死神の精度」の撮影にも忙しかった。
諸葛亮の小さなひげこそ、変身のカギだった。
河北では、彼はひげをはやした孔明だ。
東京へ飛ぶと、ひげのない死神・千葉である。

ここ数年の金城武は、このようなあちこちと渡り歩く生活を送っていた。
大作「赤壁」の撮影に入ると、一気に5か月という月日が過ぎ去り、
一息入れるひまは全くなかった。
彼は言う。
「一度仕事に入ると5カ月かかる。だから自分の家がどこかもわからず、
いつもスーツケースをぶら下げて行ったり来たり。
どこの人間だろうと思うこともあるし、両親が寂しがっていると耳にすることもある。
でも、どうしようもない、これがぼくの仕事なんだ」
時には台湾の牛肉めんやルーウェイ、屋台、
あの熱い湯気が立ち上り、遠くから漂ってくるにおいが恋しくなる。
だが、仕事が終われば、少なくとも故郷、台北に帰ることはできると彼は知っている。

11カ月前に戻ると

考えるのは仕事のことだけ、他の人がどう考えるかは気にしません。
一番心配なのはそれらしく演じられるかどうかではなく、
その役が見る人の心に残るかということです
――「赤壁」北京記者会見にて、諸葛亮について金城武語る

このころ、金城武は「赤壁」の撮影の真っ最中だった。
毎日早朝5時に起き、10数人の俳優たちと化粧室で、メイクの順番を待つ。
朝暗い内に目をさまし、まだぼうっとしている内にそこに来て、
メイク係が1、2時間かけてメイクする間、ただじっとしている。

だが、この撮影チームが作り上げる小集落は、
アクション班、ドラマ班、道具班、CG班、俳優班、エキストラ班、
さらには馬たちまで、同じように早朝から仕事の準備に入るのである。
「仕方ないですよ、この映画は英雄がたくさんいるし、兵隊も大勢いますから。
主な出演者だけで10数人。
だからすごく早いうちから作業を始めなくちゃいけないんです」
と彼は言った。

金城武が演じるのも、その英雄たちの1人だ。筆と口の立つ諸葛亮である。

ジョン・ウーは彼にこう言ったことがある。
周瑜と諸葛亮を「英雄、英雄を惜しむ」という感じにしたい。
競り合って活気のなくなった様子ではなく、
若く、溌剌として団結した、夢を持った英雄たちにしたいのだと。
そこで、金城武は大陸のテレビドラマ「三国演義」を通して見、
たくさんの違った諸葛亮像があることを知った。
孔明を道士と考える者もいれば、読書人と思う者もいる。
演じるにあたって、彼はいくらか折衷を行い、道士のような仙人っぽさと、
ジョン・ウーが求める才能豊かな若者としての個性を取り入れ、
これまでと異なった孔明を演じだしたいと思った。

撮影初日、それこそ諸葛亮の最も有名な場面――「舌戦群儒」だった。
彼はこう語る。
「初日のセリフは長いことかかって覚えました。
あの日、ぼくがひたすらしゃべり、他の人はずっとぼくが話すのを見ていました。
諸葛亮の道士の雰囲気をつかむため努力が必要でした。
ウー監督もそばで指導していて、ものすごい緊張でしたね」
そのシーンでは、彼が扮する諸葛亮は孫権の陣営に行き、
巧妙かつ、やや饒舌な弁論で孫権の家臣の張昭や魯粛らを説得し、
呉軍が劉備と手を結んで曹操に当たるようにしなければならないのだ。

だが、「舌戦群儒」にとどまらない。
金城武はさらに、諸葛亮が農村の出身というバックグラウンドにも
挑戦しなければならなかった。馬のお産の世話だ。
「脚本に書いてある通りにやるんです、

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07月25日(金)
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