ID:23473
武ニュースDiary
by あさかぜ
[6277687hit]

■「ダウンタウン・シャドー」の頃@
96〜97年の、映画に出まくっていた、けれど、確実に新しいジャンルに挑戦して
少しずつイメージを変えつつあった時期についての文章は
目にすることが割に少ないのですが、
「ダウンタウン・シャドー」撮影現場で行なわれたインタビューを元にした
香港の某映画雑誌の記事があります。
「パラダイス!」にも触れているという点で貴重な記録です。
タイトルは、今、元記事のファイルがみつからず、わかったら書きます。

「ダウンタウン・シャドー」の頃

「恋する惑星」は、金城武の映画界における新たなスタートである。
もし「ワンダーガールズ2」で線を引くなら、「ワンダーガールズ2」以前は、
まだ形のできていない、真価の表れない金城武だ。
「恋する惑星」での彼は、あたかも束縛から放たれて疾走する車のようだった。
固定したイメージをその手で打ち破り、新たな自分自身を掘り起こした。
車はいまだかつてない効能を発揮し、目を奪う成績をあげた。
その輝きはただちに彼を日本映画へ、さらにはアメリカ映画という
2大マーケットへと連れて行った。

好評を得て戻り、96年になると、彼は2本の映画にのみ出演した。
リー・チーガイの「世界の涯てに」と、
ジョニー・トープロデュース、パトリック・ヤウ監督、
ワイ・カーファイ脚本による「パラダイス!」である。

そして97年、彼はウォン・カーウァイプロデュース、
エリック・コット監督「初恋」への出演を終え、
現在、テディ・チャンの「ダウンタウン・シャドー」撮影中である。

映画にやたらに出るわけではないが、年とともに
確実に映画経験を蓄積してきた彼は、今回「パラダイス!」に出演した。
ジョニー・トーは、こういう物語には。金城武の存在が不可欠だと話す。
彼がいて初めて、あの、自分の世界だけに生きている役が成り立つからだと。

この映画について、金城武はいわく言い難い感じを抱いている。
「映画全体の感じは、はっきり言いにくい。
映画は、撮影中、上映される時と、それぞれ違う。ぼくもどんな感じかわからない。
どの撮影でも、その映画をどう感じているか、よくわからないんです」

「パラダイス!」の2人の主人公、カルメン・リーと金城武は、
外見からして変わり者だ。ストーリーは、
映画のタイトル(原題「生き残るのは2人の内の1人だけ」)から想像することができる。
演技面で金城武は、以前とは全く違うやり方をとった。

「この映画を撮影していて、自分のセリフが少ないのに気がつきました。
ほとんどの場合、感覚を表現するだけでした。
それに、疲れと。撮影はひどく疲れました。
アクションが多かったですからね。
でも、段取りの決まったアクションではなく、
乱闘で、しょっちゅうひどく殴られました」

ひどく殴られるといっても、アクション映画では決してない。
このような感覚と表情で物語を語るのは、セリフで語るより難しいものがある。
おそらく俳優は監督の要求するところをつかみにくいだろう。

「いいえ! ジョニー・トーが何を求めているかは、とてもわかりやすかった。
彼は演じて、手本を見せて指導してくれるので、すごくわかりやすい。
ただ、ぼくがときどきからかっただけです。
『これでいい? こんなふうにするの?』って」

映画は、ジョニー・トーとパトリック・ヤウの2人が分担してあたった。
ヤウはトーがテレビ局から連れてきた人間だ。
2人の分担の割合は、金城武の見たところではこうだ。
「トーさんはずっと先生でした。
現場で指揮していました。
そしてパトリック・ヤウは、たくさんやりたいことがあり、
たくさんアイデアを持っているけど、
まだ実践する機会があまりないのだと思いました。
彼はいろんな技術を持っていますよ」   (続く)


BBS  1日1回! 1;00
07月20日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る