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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■「ダウンタウン・シャドー」の頃A
「ダウンタウン・シャドー」の頃・2

金城武がウォン・カーウァイの影を濃厚に背負っていることは避けられない。
たとえどんなに努力しても、おそらく結果的には、
ウォン・カーウァイのレンズで見慣れた金城武になってしまうだろう。
ジョニー・トーは金城武との仕事において、特にこの点に注意を払った。

「いえ、ジョニー・トーはウォンとは似たくないと思っていて、
撮影が終わった後、ウォン・カーウァイ映画のようにならないよう、
似た感じにならないよう、チェックすることもありました。
ぼくの演技も、前の『恋する惑星』の感じとは違います。
逆にエリック・コットの『初恋』は、そういう雰囲気が出ているかもしれません」

「この映画の感じは、とても汚くてめちゃくちゃ、面白い特色です」
金城武の創り出す、イメージは深みがあり、演技は真に迫っているのは、
実は彼のとぼけた持ち味のせいかもしれない。
「とぼけているというのは、映画の役がそうだからで、
『パラダイス!』や『ダウンタウン・シャドー』ではそんな感じはないです」

ジョニー・トーと金城武が組むのは、これが2回目だ。
1本目が「ワンダーガールズ2」。
そして、「パラダイス!」までの間に、どちらも絶えず変化し続けてきた。
「ジョニー・トーは、『ワンダーガールズ2』のときと
『パラダイス!』のときとでは、少し違います。
本当を言うと、ぼくは『ワンダーガールズ2』のことは、ほとんど覚えていない。
シーン3つで、ぼくの出番はなくなりましたから、
そんなにたくさんのことを覚えているはずないですよね」

「前のときは、彼と接触する機会はありませんでした。
ただ、とてもいかめしかったのを覚えているだけです。
俳優に対してはとても優しかった。
今は、とても遊び好きということもわかりました。
「ぼくの方の変化は、よくしゃべるようになったことですね。
現場でよく話すようになった。
人とコミュニケーションできるようにもなりました」

「こんなにたくさんの映画に出てきたけれど、映画に対しては今も好奇心いっぱいです。
1作撮るたびに、いつも監督から何か知識を引き出す。
それは必ずやりますね」
「映画を作ることは、「スタート」から「カット」まで、
撮影からポストプロダクションまで、そして完成してやっと1本の映画ができる。
それが映画館にかけられて、ようやく完全な映画になるのです。
そのとき、観客が見てとったものが、正しい、その映画の感じです」
これが、金城武が最後に語った、映画の感じについての意見だった。
インタビューの後、彼はまたあわただしく
「ダウンタウン・シャドー」の撮影へと舞い戻っていった。  (完)

ジョニー・トーとの話が中心でした。
まだ「恋惑」「天使」からまもない97年だからか、
ウォン・カーウァイの影響のことが書かれていますね。
カーウァイ俳優というイメージが、まだまだ強かったのかなと思わせる記事でした。
これは、いつも同じウォン・カーウァイ風≠ニ思われていた、という
別のDiary記事と呼応しますね。

金城武は、カーウァイから声がかかればいつでも行く、と言っていたけど、
それは今も変わらないのかもしれないですが、縁がなかったのかなんなのか、
結局実現しないで今日まで来て、
10年近く、一緒の仕事はしていません。

今、彼にはカーウァイ風とは関係なく、仕事の話が来ていると思うし、
周りも、またカーウァイと仕事してほしいとは思っても、
武は武として、演技に幅のある独立した俳優として見ていると思います。
なら、しばらく縁のないことも、残念がることばかりではなさそうです。
(私も「ぜひもう1回」派ではありますが)


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07月21日(木)
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