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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■NDDの頃D
霧から抜け出て、死ぬほど疲れてD

台湾、香港、大陸、日本、アメリカと映画に出てきて、
その経験から、それぞれどんな違いがあると思う?

武 ぼくに言わせれば、文化が違いますね。
中国人の考えは日本人とは全く違うし、アメリカ人の考えはもっと違う。
アメリカ人が一番こまごまして、制度は一番整っている。
中国人社会は一番制度化されていないけど、
良いところも悪いところもあって、一番融通が利く。
それは映画撮影がだけじゃなく、普通の仕事でもそう。
アメリカは一番保障がある。
日本もそうだけど、アメリカのほうがもっときちんとしている。
中国といってもいろいろあって、香港が多分、割にきちんとしているほうで、
その次が台湾、おしまいが大陸。
融通が利くかどうかということになると、その反対で、アメリカが一番不便。
いいとも悪いとも言えないですね。

俳優としては、どの環境で仕事したい?

もちろんアメリカです。日本もいい。
制度がきちんと整っていて、気をもまななくていい。
保障があるし、スケジュールができれば、その通りに進みます。
だけど、きっちりして変わらない。
あるケースについて最後まで話をしておいたら、その通りに進む。

台湾や中国では、突然キャンセルになったりする。
でも、突然、何か仕事が入ってくるかもしれない。
打ち合わせなんかなしで、チャンスが訪れたら行ってやればいいんです。
こんなことは日本やアメリカでは起こり得ない。
必ず打ち合わせが必要で、それがなければやれません。

日本では、映画はおそらく1年以上前から話が始まり、
脚本には細かく全てが書き込まれます。
俳優は今年は何をするのか、何月から何月まで、何と何をやるのか、
今年の稼ぎはいくらになるのか、知ることができます。
でも、今年はこれだけ稼げるけれど、それ以上にはならない、
他のの新しい仕事はないこともわかってしまう。
もし、新しい話が来ても、それは次の年に回されるんです。

台湾では、ぼくは今年自分が何をやるのか知らない。
けど、もしかしたら、急にいろいろやることが出てくるかもしれない。
保障がなくて、不意にいろんなことが出てくるかもしれないということ。
めぐりあわせなんですね。

ぼくは3つの土地で映画を撮っています。
最初が台湾でテレビドラマ(「草地状元」)に出ました。
ぼくは新人で演技ができなかった。
監督は林福地です。
第1日からめちゃくちゃ怒鳴られました。
そのとき、馬如風とか石英とかが出演していて、有名なスターばかりで、
ぼくがその人たちのスケジュールを遅らせてしまうのを心配してた。
だって、NGばっかりだったから。

本当のところ、何がNGなのかも、
監督が何を怒っているのかもわからなかったんだけど、
でも20回以上ダメを出されて、
「誰がこいつを連れてきたんだ」って怒鳴られました。
辛かったですよ。いつも家に帰りたいと思ってました。
あのときは電車で嘉義朴子まで1人で撮影に通ってた。哀れですよ。
1日50元ちょっともらってね。

そのころは、何がいいのか悪いのかもわからなかった。
もしかしたら、それが当時のテレビの世界だったのかもしれませんけど。
ぼくはもちろんうまくなんてできなかった。
次が、香港での映画出演で、前よりはちょっといい状況でした……

初めて出た香港映画はジョニー・トーの「ワンダーガールズ2」だね?

そう、いわゆる映画ですけど、何をしているのかもわからなかったんです。
はい、そこに立って、はい、あそこで爆死して、
全部で4つか5つのカットだけだから、
もし映画館に入るのが遅れたら、ぼくはもういない!

あのときは何を演技というのか、わかっていなかったんですけど、
アンソニー・ウォンと会って、すごくいいと思いました。
演技のできる人を見ると違う。
彼は化粧室に入ったとたんに変わる。
すごく変わった人だけど、それは彼の個性なんでしょう。
当時ぼくもすごく恥ずかしがりだったから、

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06月24日(金)
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