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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■金城武という都市A
A City, A Manの続きです。

誠意

外部からは、金城武は、足取りのつかめない神秘的な大スターで、
ものさえろくろく言わないとずっと思われてきた。
これについての彼の説明は、率直だ。
「話すことがないのに、何を言うんだろう。たくさん話すことに意味はない。
例えば、マスコミがぼくに、あることについて
どんなふうに感じるかとたずねてきて、ぼくが簡潔に答える。
でも、マスコミはそれじゃ足りないと思い、もっと話してほしいと言う。
だけど、それがぼくが本当に思ったことなんだ。
もし、ぼくの答えを頭から決めてかかっているなら、
それは誠意あることとは思わない」

初めてのコスチュームプレイが、あの大監督チャン・イーモウの、
あの大作「LOVERS」である。
映画の出来についてはここでは触れないが、
酷寒の厳しさも、金城武の雄々しい姿を損なうことはなかった。
数えてみれば、これは彼にとって30作目の映画であり、
30代に突入したばかりの彼への最良の贈物でもある。

たとえ、「『LOVERS』では大物ぶって、
プレミア式典の当日になってようやく北京入りし、
記者たちが集まっている前で遅刻をした」など、とやかく言われようと、
金城武は以前と変わらず、ひっそりと控えめな態度を崩さない。
だが、近くで彼に触れた記者や、スタッフや、司会者達は
口々に噂を否定し、誠意ある人だと絶賛する。

金城武の肌の色、髪の色を目にすると、
人生の出会いのような強い親しみが湧き起こる。
その上、その面にやどる寂しさは、
いっそう得難く、また手をすり抜けていくように感じさせる。
人に「安全感に欠ける」と言われても、彼はその漂泊感を決してなくさない。
「今は、もっとうまく演じられるようになりたいということだけ考えている。
今、いいチャンスがたくさんあり、いい監督に大勢出会えるのだから、
良い演技をしさえすればいいので、その他のことは考える必要はない」(続く)
(女性大世界 2004年9月号)


BBS  23:25
01月14日(金)
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