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武ニュースDiary
by あさかぜ
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■雑誌記事(外灘画報A)
歳月の痕跡がなく、青春を保ち続けて、ファンを魅了する、というものである。
まさにそれゆえ、人々は、彼には複雑な人生経験がなく、
厚みがあり、矛盾のある役には向かないと思いこんでしまうのだ」
「金城武を他のスターと比べて考えてみよう。
ジョニー・デップはティム・バートンとの第1作『シザー・ハンズ』で、優れた力量を示し、
ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。
金城武はデップより10歳は年下だが、
彼のように自分自身とかけ離れた役柄に出合う幸運には恵まれていない」
「彼の過去のほとんどの役は、『恋する惑星』『天使の涙』
『ターンレフト、ターンライト』も含め、
どれもが美貌で、人に憐憫の情を起こさせる柔弱な男のイメージだ。
ほとんどの監督は、彼のその外形上の特徴を利用してきた」
と孫孟晋は言っている。
ピーター・チャンの映画でも、彼は真の意味での主役をやったことがないのである。
2005年、2人は「如果・愛」を撮った。
この映画はチャン監督の、初めての内地での進出作品でもあった。
金城武の役は比較的薄弱で、過去の役柄と比べても大きな違いはない。
彼は容貌のすぐれた落ちぶれた男で、
恋人のジョウ・シュンに一度ならず振られるが、決して忘れられない。
もう1人の主演男優はジャッキー・チュン。
彼の役のほうが性格が複雑で多面的であり、
その上、得意の歌のシーンがあるので、場面を食ってしまう。
2008年の「投名状」では、ジェット・リー、アンディ・ラウという2人のベテラン俳優が躍り出る。
2人の兄貴は、撮影現場はもちろん、プロモーション時にあっても、
老練でそつがなく、それぞれに優れた腕前を見せた。
金城武だけが、その役のように、シンプルで頭の単純な末弟であった。
「金城武は演技を張り合わないし、人を食うことがない。
バンドなら、後ろでベースを弾いているが、とても魅力的な、そういう人だ。
ぼくがとてもなりたいけれど、なれない人間だよ」
ピーター・チャンは言う。
「ジェット・リーは『投名状』で香港金像奨の影帝(最優秀男優賞受賞)になったが、
金城武は今に至るまで、どんな賞も勝ち取っていないんだ」
「武侠」の徐百九は、初めは狂言回しに過ぎず、
ドニー・イェンの劉金喜こそ、絶対的な主役だった。
ところが金城武が役に対してずっと質問をし、掘り起こしていくのとともに、
ピーター・チャンは絶えずこの脇役に出番を増やし、最後には「武侠」を、
彼とドニー・イェンの2人のヒーローの対峙する物語に変えてしまったのである。
金城武は、今、37歳。
ひょっとしたら、彼は既に意識し始めているのかもしれない、
最も「打ち破る」ことの必要なのは、あの、彼がかつて成功を収めたもの
――例えば生まれつきの身分だとか、恵まれた容姿だとかだということを。
四川方言を話し、ヒゲをたくわえ、隅に引っ込んで……神経質な偏執侠になるのは、
金城武が自分自身を「打ち破る」ために踏み出した第一歩なのだ。 (続く)
この孫孟晋氏の言もそうだけど、その特殊性は大きな要因かもしれないけれど、
「能書き」だけでは、決して人の心をつかむことはできません。
金城武が日本でブレイクしたのは、スクリーンやブラウン管でまのあたりにした、
その一挙手一投足、醸し出す独特の雰囲気、色気に日本の観客が驚き、
魅了されたからに他ならないんですがね。
ま、本文はこれで終わり、残りは本人へのインタビューとなります。
BBS ネタバレDiary 9:30
08月07日(日)
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