ID:23473
武ニュースDiary
by あさかぜ
[6279103hit]

■「BAZAAR」中国版12月号(傷城)A・完
高慢では決してなく、いつもデビュー時のような緊張感でいっぱいで、
自分のような若造に、幸運が舞い降りてくるとは
信じられないだけなのである。
チャン・イーモウが「LOVERS」で彼にオファーをよこしたとき、、
彼は自分の耳が少しも信じられず、会社のスタッフに尋ねた。
「ぼくのこと? 監督は誰かとぼくの名前を間違えて言ってるんじゃないの? 
ほんとにぼくでいいの?」

前作「如果・愛」は大ヒットし、香港金像奨の11部門にノミネートされ、
台湾金馬奨では12部門のノミネートを勝ち取った。
だが、金城武の主演男優賞のノミネートはなかったのである。
ピーター・チャンは、このことを最大の無念だといい、
他のすべてのノミネートと取り替えてもいいとまで言った。

「ジョウ・シュンももちろん素晴らしい。
彼女の演技はどちらかというと巧さが目立つので、
審査委員はわかりやすいんだ。
しかし、「如果・愛」を本当に好きで、理解している人が
最もいいというのは、決まって金城武なんだよ」

「ハリウッドへは?」という言い古された質問を投げかけられると、
彼は即答する、「No」と。
「ハリウッドは、もちろん俳優誰にとっても夢です。
けれど、もし旧態依然の役しかアジア人俳優にはないのなら、
これからも観客でいるほうがいい。
ぼくが言えるのは、ぼくの職業は俳優だということだけ。
まだ勉強中の段階で、今、多分人気はあるし、主役をやれるけど、
思い上がるようなことじゃない。
これからも努力を続け、経験を積みたいと思っています」

観察する人、観察される人

「もし、可能なら、どんなことが一番やってみたいですか?」
「顔を変えられうようになりたい。
仕事のないとき、ちょっと顔を変える。
みんなぼくが誰だかわからなくなるから、屋台でのんびりものを食べたり、
道端にしゃがみこんで、通る人を眺めたりしていたい」

彼は、他の演技の好きな人たちと同じように、好奇心の強い観察者である。
帰り道、紅葉が舞い散る風景に感動する。
暖かくない桜が咲いたのを見ても感動する。
演技者であるから、他人から観察される対象とならざるを得ないけれども、
幸い家の中ではゲームをし、ネットでおしゃべりすることができる。

「だれでもブログ」時代が到来するはるか前、
彼はすでにネットで日記を綴ることを始めていた。
こまごました感想や子どもの頃の思い出を記していた。
間違って他人に届けられてしまったバレンタインのチョコレート、
両親に泣いてものをねだったこと、
兄弟との髪を引っ張り合ってのけんか、
畑から芋を盗んで食ったこと、
眠くて、あるいはゲームをしたくて、
祖母に熱が出たから休むと学校に電話してもらったこと……
それにまた、忘れられない南極旅行。

「そこは電話も無く、テレビも無ければ、当然世の中のニュースも無い。
社会の枠に取りこまれなくてよい。
欲や理想を追いすぎると、周りの世界の本当の美しさが見えなくなる」

人々は彼との距離を推測によって埋めるしかないが、
彼はたくさんの「しかし……」を使って、そういう想像に答える。
「ぼくは、電話で3時間も話をできる人じゃないし、
かといってネット以外の直接は拒否する人間でもありません……
映画の中の話なんですよ、ほんとに」

「ただの普通の男です。
サイトをちょっといじることはできるけど、
コンピューターに熟達しているわけではない。
ぼくのことを完璧だと考えすぎないでください」

「ものを考える時間をきちんと確保している?
そんなふうに計画立ててやる人が本当にいますか?
いないでしょ、ぼくらが小学校のときは、
子どもは昼食後15分昼寝をするってことぐらいしか、
ルールはありませんでしたよ」

「哲学書を読むのが好きなのは……そんな大層なことじゃないです!
分析的な、人間性についての本を読むというだけです。
仕事柄独創性が多く要求されるから、仕事が終わったら吸収しなくては。
休日の暮らし方の一部分に過ぎません」


[5]続きを読む

12月16日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る