ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 中国:何のためのオリンピック
 北京オリンピックが明日開幕する。
 中国政府当局はオリンピック招致を何のためにしたのだろう。国威宣揚のためであったのなら、当局の政治判断は誤っていたように思う。最近の報道を見ていると国威宣揚どころか、中国社会の問題点の宣伝のためにオリンピックを開催するような形になっている。特に目立つ矛盾点を何点か引用しよう。
1、各地から北京に動員されたのは警察が120万人、軍が20万人以上。人口約1500万人の1割に匹敵する。「中心部は5人に1人が治安関係者という人海戦術で首都を防衛する」(公安関係者)
・・・・・このような布陣にしなければ治安が保たれないのだろう。
2、ここにきて中国政府は、五輪がテロの標的になるという恐ろしい可能性を突きつけられている。中国南西部の雲南省昆明市で2人が死亡したバス連続爆破事件に関し、ビデオ映像による犯行声明を出した。
・・・・・このような騒乱は氷山の一角のようだ。
3、中国新疆ウイグル自治区カシュガルで4日朝、武装警察の国境警備隊施設がトラックに乗った2人組に襲撃され、手投げ弾の爆発で警官16人が死亡、16人が負傷した。
・・・・・五輪直前に治安機関を狙った襲撃事件が発生したことは、五輪の安全開催が不安視されることになりそうだ。既に小規模な内乱が起こっているといわねばならない。
4、日本テレビの男性記者(37)の日本人2人が武装警察に一時拘束され、顔や腹などに軽傷を負ったことが5日、分かった。
・・・・・現場では武装警察が厳重な警備を敷く一方、かなりのストレスが鬱積しているようだ。公安当局の締め付けだけの警察国家を思わせる。


厳戒北京、警備に140万人 出稼ぎ者100万人は帰郷
                     2008年8月4日3時1分 朝日新聞
相次ぐバス爆破事件で脅威が高まる
                     2008年8月4日 月曜日 BusinessWeek
中国:国境警備隊に手りゅう弾…16人死亡 ウイグル
                     2008年8月4日 毎日新聞
新疆襲撃:邦人2記者に暴行 武装警官謝罪へ
                     2008年8月5日 毎日新聞

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厳戒北京、警備に140万人 出稼ぎ者100万人は帰郷
                     2008年8月4日3時1分 朝日新聞
 五輪開幕を前に、北京の人口が100万人規模で入れ替わった。
 「お前、まだいたのか。とっとと田舎に帰れ」。四川省巴中から来た葛力さん(45)が住む3畳余りの地下室に男性の甲高い声が響いた。
 毎朝、嫌がらせのように警察官がやって来る。北京に来て4年。妻と塗装や清掃の日雇いをして月3千元(約4万5千円)を稼ぎ、高校生の長男と中学生の長女の学費を工面してきた。しかし、四川大地震で実家は倒壊。こらえきれず言い返した。「いったいどこに帰れって言うんだ」
 北京五輪のメーン会場から南東に8キロ。高層マンションに囲まれたスラム街に葛さんの家がある。道ばたでは男たちが上半身裸でマージャンを打ち、露天商が中古家電を売っていた。
 ところが7月20日。住民が消えた。葛さんの地下室入り口は閉じられたままだ。五輪を直前に控え、建設工事が止まって働き口がなくなったうえ、警察による身分証明書検査が厳しくなった。北京市政府は「五輪期間中に出稼ぎ労働者を強制帰還させることはない」としていたが、約100万人いたとされる出稼ぎ者のほとんどが帰郷した。「社会に不満を持ち身元確認がしづらい出稼ぎ者を排除することで真の安全が確保できる」と公安関係者は説明する。
 入れ替わるように各地から北京に動員されたのは警察が120万人、軍が20万人以上。人口約1500万人の1割に匹敵する。デパートや地下鉄の駅には私服警官を重点的に配備した。「中心部は5人に1人が治安関係者という人海戦術で首都を防衛する」(公安関係者)。7月下旬からは24時間の警備が始まった。大通りでは自動小銃を持った治安部隊が立つ。
 馬振川・北京市公安局長が「五輪史上最大規模」と呼ぶ警備態勢がとられるきっかけは一つの報告だった。

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08月07日(木)
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