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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■新型ウイルスが与える経済的な損失
 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)が経済に深刻な影響を与える雲行きだ。スイス・ジュネーブの世界保健機関(WHO)は11日、「新型肺炎による経済損失が世界ですでに300億ドル(3兆5000億円)に達した」(12日・読売から)との推定を明らかにした。
 
 また世界の感染者数は4月12日現在2890人、死者は116人と発表した。この内、「中国の感染者は4月12日現在1319人、死者は60人」(共同通信から)と発表している。。真意のほどは分からないが、中国の新型肝炎に関する情報が隠ぺいされているとの批判が国内外から起こっている。

 中国広東省に次いで感染者が多いのは香港で、4月11日現在で感染者は1059人、死者は32人となっている。はたして、この人数が今月末までどこまで伸びるのだろう。この新型肝炎に感染すると、4〜5%の人が死亡するのだから恐ろしい。
 
 これでは、香港の旅行は総てキャンセルになるのは当然だ。現在の予約状況からすると、4月24日〜5月4日までの間に香港へ行く人は「前年(25000人)の88%減の3000人」(9日・毎日から)というから航空・ホテル業界が受ける打撃は計り知れない。香港は4月10日時点で、この新型肺炎で経済成長率を下方修正すると発表している。

 日本の海外旅行者も激減している。「JTBが九日発表したゴールデンウィークの旅行動向調査で、機関中の海外旅行者の推計は31万4000人と前年より35、9%減少し、69年の調査開始以来、最大の下げ幅になった」(9日・毎日から)という。

 この数字もこれから10日余りの感染状況によっては、これより大きく減少する可能性があるのだ。日航と全日空の航空大手2社は「上半期(4ー9月)の当初計画に対する減収幅が計1000億円近くに達する見通しである」(同)というから、イラク戦争と新型肺炎のダブルパンチを受けるかたちだ。
 
 香港を拠点としている航空会社は壊滅的だ。「キャセイ航空の平均旅客数は前年同期の3分の1に減少・・」(11日・読売から)というから、経済的損失というより壊滅的な打撃なのである。感染者が香港に次いで多いシンガポールに拠点をおくシンガポール航空は、需要減が予想を上回るペースが続いている。
 
 松下電器産業は新型肺炎の影響で、現地生産が止まった場合の対策を検討し始めたことを明かにしている。同社常務は「現地工場で感染者が出ると、工場が閉鎖される可能性がある。部品・材料の製造、供給が途絶えると、日本やアジアの生産への影響は深刻だ」と指摘している。ともかく、新型ウイルスの影響はイラク戦争より大きくなるのだろうか 

04月13日(日)
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