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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中越沖地震の記録 (15)
同原発は昨年の改定前の耐震設計指針に基づいてつくられているが、すぐ近くの活断層を考慮しなかったミスは言い訳できない。原発は多重防護という考え方で安全性を確保しているが、同原発のほとんどの事象は想定外と言って片づけられるものではない。地元や関連機関への報告の遅れなど、東電の対応にも問題があり、これでは原発の地震防災への疑問は広がるばかりだろう。
政府は安倍晋三首相が地震後に現地を視察し、経産省に全国の原発の安全性確認を指示するなど、不安の解消に動いている。一方で、安全確保に責任を持つ原子力安全委員会、原子力安全・保安院の存在感は薄く、不安への対応も十分ではない。
今回の地震では運転中の原発は自動停止し、炉心は健全なようだ。ただ、炉心に損傷がないのかはまだ調べられていない。専門家チームをすぐに組織し、こうした点を含め被害・影響を徹底分析するなど、素早い対応が必要なはずだが、動きは鈍い。旧耐震指針でつくられた既存原発の点検・補強は今回の地震で一刻の猶予も許されなくなった。その期限を早めるなどの対応も遅い。
原子力は安全性に不安を持たれたら機敏に動き、備えを盤石にする姿勢が何よりも重要だ。政府の関係機関にそれが欠けるからIAEAの調査に過大な期待がかかる。今回の地震被害や問題点を原発国が共有するのは重要であり、極力協力すべきだ。しかし、問題点の分析を国際機関に委ねるようなら、「原子力立国」どころではない。
8、原発被害調査 「世界の目」でより厳格に [新潟日報7月24日(火)]
稼働中の原子力発電所が、地震で大きなダメージを受けたのは世界でも初めてのケースだ。被害情報を原発保有国間で共有できれば、意義は大きい。
東京電力柏崎刈羽原発の地震被害調査に国際原子力機関(IAEA)が加わることになった。世界百四十四カ国が加盟し、原子力の軍事利用に待ったをかけるだけでなく、原発事故や放射線による健康被害などを防ぐための安全基準を設定する権限を有している組織だ。
IAEAは、一九九九年の茨城県東海村の「ジェー・シー・オー」(JCO)臨界事故を受けて、被害状況やずさんな作業管理についての報告書をまとめた経験がある。
中越沖地震の影響で、柏崎原発からは放射性物質が大気中や海中に放出された。深刻な事態だ。IAEAが調査に加われば、国による調査の妥当性が国際的に問われることになる。
経済産業省原子力安全・保安院や東電が実態解明に努めるのは当然だ。IAEAと連携し、被災の原因や範囲、影響を徹底的に調べてほしい。結果は、原発保有国はもとより国際社会全体が情報として共有し、原発立地の安全対策などに生かすべきだ。
それにしても、国の当事者意識の欠如には開いた口がふさがらない。当初、IAEAの調査参加の受け入れを見送る意向を伝えている。泉田裕彦知事は「受け入れを留保すれば、何かおかしいことがあるのではないかとの誤解を生む」と強く反発した。
一転して受け入れたのは、国際社会に日本が安全対策に後ろ向きと受け取られることへの懸念が広がったため、という。
IAEAの参加を国が断ったのは、原発の耐震性についての知見は日本が最も豊富だ、という過信が背景にあったからではないか。電力各社のトラブル隠しなどの不正と根っこがつながっている。
国にも都合の悪いことは隠そうとする体質が根強くあるということだろう。電力業界をチェックすべき立場の国が本来の役割を果たしていない、との不信を抱く国民は多い。
問題は保安院が二〇〇一年に発足した以降も、原子力行政を推し進める部門と原発の安全性を監視するセクションが経産省内に同居しているという点にある。早急に切り離すことを考えなければならない。
新しい耐震設計指針に基づき電力各社は耐震性の再評価を進めている。結果が出そろうのは一〇年だ。それまでの間、原発を動かし続けて大丈夫なのか。中越沖地震の被害調査の一方で、保安院の存在が今ほど問われているときはない。
9、白波、あふれる水…使用済み核燃料プールの映像公開 朝日新聞
2007年07月25日03時05分
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07月25日(水)
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