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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中越沖地震の記録 (13) 
 避難所にいる人はピーク時の5分の1に減ったが、今も3000人以上いる。断続的に降り続く雨や余震で土砂崩れなどの恐れがあり、柏崎市山本地区の34世帯81人に新たに避難勧告が出されるなど避難指示・勧告は143世帯322人に上る。
 水道については、柏崎市は25日の復旧を目指すが、ダムから浄水場に水を送る最上流部の導水管3本のうち2本が損傷し、応急措置が必要となって作業が遅れている。刈羽村では水道管の破損個所が多く、復旧のめどは立っていない。両市村とも、ガスは一部を除いて止まり、JR信越線も被災地周辺で不通のまま。
(2007年7月22日0時20分 読売新聞)

11、日報抄
 中越地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発に対する国際原子力機関(IAEA)の調査団派遣を、日本政府がやんわりと断った。「派遣受け入れを当面見送る」。世界に知られたくないことがあるのだろうか
▼「豆腐の上の原発」という言葉が、十一年前に出版された「原発を考える50話」(岩波ジュニア新書)に出てくる。柏崎原発の地盤が不均質なことを指した言葉だそうだ。国内の他の原発にも当てはまる言葉だ。大量の冷却水と広い敷地を必要とする原発は、海岸地帯など地盤に問題を抱えたところに建てられることが多い
▼「地盤のデータをごまかしたり、都合の悪いデータを隠したりしたことが九州の原発などであった」と「50話」はいう。東電が行った柏崎原発の断層調査についても、疑問が相次いでいる
▼中越沖地震の震源となったと見られる海底の活断層の規模を、東電は八キロと推定していた。広島工業大学の中田高教授は「専門家が地形図をよく見れば二十キロ以上の断層と分かる」と指摘する
▼まだある。柏崎原発近くの長岡平野西縁断層帯を、政府の地震調査委員会は長さ八十三キロとした。だが東電は十七・五キロという調査結果を出したと、名古屋大学の鈴木康弘教授は困惑する。石川県の志賀原発など、断層に対する電力会社の「過小評価」が目に付く
▼地震で原発が大事故を起こせば、震災の様相はこれまで経験しなかった破局的なものになる。その自覚が電力会社にどれだけあるのだろうか。「想定外の地震」「当時の知見では、活断層ではないという判断はやむを得なかった」などと繰り返していると、取り返しのつかない国難を招く。
[新潟日報7月22日(日)]



12、日報抄
 世界のメディアは、激しい揺れに襲われて放射能漏れや火災を起こした東京電力柏崎刈羽原発を大きく報じている。中越沖地震は、日本の原発が地震の巣の上にあることを国際社会に伝えた震災として、人々の記憶に残ることになりそうだ
▼米原子力規制委員会の警告を思い出す。「原発の重大事故の発生確率は故障によるものよりも、地震による方がはるかに大きい」。柏崎原発は最も避けなければならない断層の上に建てられていた可能性が高いことが、気象庁の解析で明らかになった
▼神戸大学の石橋克彦教授はいう。「普通、原発の事故は単一要因故障といって、どこか一つが壊れる。それを多重防護システムや安全装置で守ることになっている。だが突然激しい地震の揺れに襲われると、機器や配管のあちこちに損傷が生じ、多重防護システムでは対応できなくなる恐れがある」
▼地震が原発にとって最大の脅威といわれるゆえんだろう。原発が被害を受ける規模の地震が発生すれば、周辺もライフラインが寸断され、人的被害が出る。死の灰の降る中で救援や原発事故の応急対応は困難を極める
▼二月の衆院委で石橋教授が訴えた「原発震災」のシナリオは悪夢だ。「おびただしい人が被ばくし、土地や水も汚染され、混乱は海外に広がる。大震災の時は世界が同情し救援に来てくれるが、逆に厳しい非難を浴びかねない」
▼柏崎市長は原発の使用停止命令を出した。中越沖地震を詳報した英科学誌ネイチャー(電子版)は「原発が閉鎖になる可能性がある」と論評している。安全性を県民をはじめ全世界に説明できるまで、運転を再開してはならない。



13、損壊家屋1万棟超える 新潟日報

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