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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■3党連立の合意に達する
 93年の細川政権以降、今の自・公政権まで、日本の政治は一時期を除いて連立時代が続いてきた。しかし、与党内調整に時間がかかり過ぎる一方、各党の主張を「足して2で割る」手法で決着して政策が中途半端になったり、まとまらない難問は先送りする例も多かった。
 政策の実行にスピードも要求される時代だ。民主党は首相直属の機関として新設する国家戦略局を政策決定の中心とし、今回の合意では3党の意見調整も内閣の中に置かれる「基本政策閣僚委員会」が担当することになった。政府と与党の二元的行政を排し、内閣主導を進める仕組みは一応整ったことになる。これがうまく機能するかどうかが政権運営のカギを握るだろう。
 3党合意文書の冒頭には「政権交代という民意に従い、国民の負託に応える」とある。今後もことあるたびにそれを確認し、政権運営を進めてもらいたい。期待されているのは何を具体的に変えてくれるかだ。それができなければ待っているのは「しょせん数合わせ」の批判である。
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4、社説 連立政権で政策をゆがめない配慮を  9月10日 日経
 民主、社民、国民新の3党が連立政権樹立で合意した。参院での過半数確保のため調整を急いでいたが、一連の協議では基本政策をめぐる立場の違いが浮き彫りになった。連立が第1党である民主党の政策決定のぶれや遅れにつながらないよう、十分に配慮した運営が必要になる。

 連立協議は衆院選の直後から3党の幹事長や政策責任者で進めてきた。社民党は外交・安全保障政策で独自色をだそうと、在日米軍の法的地位を定めた「日米地位協定」の全面改定要求や沖縄の米軍普天間基地(宜野湾市)の県内移設の全面撤回などを求めた。

 最終的に地位協定は「沖縄県民の負担軽減の観点から改定を提起」と合意文書に盛り込み、社民党へ配慮がにじんだ。基地問題は「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と民主党のマニフェスト(政権公約)を踏襲する表現に落ち着いた。

 連立に参加する以上、社民党がこだわりのあるテーマで発言権の確保を目指して不思議でない。しかし日本外交の基軸は日米同盟だ。同盟関係に直接影響を及ぼす重要課題について、民主党が少数党の主張に引きずられて妥協を重ねるようなことがあれば本末転倒だ。

 外交・安全保障のほか、経済政策でも3党の主張は一致しているとは言い難い。景気の先行きがなお予断を許さないなか、調整に手間取り政策運営が遅れると、企業や家計に負の影響を及ぼしかねない。国民生活という基本を忘れてはならない。

 郵政民営化への対応も極めて問題点が多い。日本郵政など3社の株式売却を凍結する法案と郵政改革の見直し方針を確認する基本法案について合意文書では「速やかに成立を図る」と確認した。

 国民新党の要求に引きずられた面はあるにしろ、民主党は今回の衆院選で郵政事業について明確な将来像を示してはいない。民主党内では「官製金融」を民営化する方向そのものは評価する声も根強い。問題点を整理しないまま、時間を逆戻りさせる議論には疑問を禁じ得ない。

 社民、国民新両党が求めた与党の協議機関について、党首級が入閣して閣僚委員会で議論する方向となった点は評価したい。民主党が掲げる「内閣の下の一元的な政策決定」という目標に沿った決着といえる。

 連立協議の終了を受け、民主党の鳩山由紀夫代表は新政権の閣僚人事を本格化させる運びだ。3党が緊密に連携し、有権者の期待に応える体制を早く国民に示してほしい。

09月11日(金)
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