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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■都議選・自民歴史的な惨敗
麻生太郎首相にとって、与党推薦候補が敗北したさきの静岡県知事選に続き、厳しい結果である。与党内で衆院解散の先送り論が勢いを増し、衆院選前に首相の退陣を迫る動きが加速することは必至だ。だが、そんな「逃げ」に走れば、国民からますます見放されるだけだ。苦しくとも麻生首相の下で国民の審判を仰ぐことが、政権党の責任である。
衆院議員の任期満了を2カ月後に控え国政選挙さながらの様相だったが、投票率が前回05年を大きく上回った分、そのまま民主党への追い風となった格好だ。議席変動が比較的起きにくいとされる中選挙区型の選挙区も多い都議会で、自民党が40年間維持した第1党から転落した意味は重大だ。新銀行東京の経営再建問題など石原都政への厳しい評価に加え、自公政権の是非そのものが争点化し、政権交代を掲げる民主党に批判票が回ったということだろう。
小選挙区で候補が対決する衆院選を控え、都議選「1人区」の苦戦ぶりに自民党は戦慄(せんりつ)すら覚えたに違いない。さきに党役員人事の断念に追い込まれた首相には、衆院解散に踏み切れるか、すでに疑問符がついている。それだけに、自民党内では解散慎重論が一層強まり、総裁選の前倒しに代表される「麻生降ろし」の動きも勢いを得よう。
だが衆院議員の任期満了を目前にして、民意を問わない4度目の政権たらい回しで党の延命を図ろうとすることは到底、容認できない。首相や総裁のクビをすげかえれば急場をしのげるという安易な発想が政治の劣化を招いている。そのことを、与党は自戒しなければならない。
首相も「地方選と総選挙は全然別」との方針通り衆院解散に踏み切るべきだ。現在の窮地に与党が陥ったそもそもの原因は首相の度重なる解散先送りだ。今回の結果も国民のいらだちの反映ではないか。解散もできぬまま退陣に追い込まれれば、憲政の一大汚点として歴史に名を刻まれよう。
主要国首脳会議の一連の会談における日本外交の影の薄さは、国民の信任を経ない政権の限界を露呈した。これ以上混乱を拡大し時間を費やすことは国益の毀損(きそん)である。
政治の行方を決めるのは有権者だ。民主党を中心に、野党も腹を据える局面だ。状況次第では内閣不信任決議案を提出し、首相に解散の断行を迫るべきである。
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3、社説 都議選終えて―混沌の出口はただ一つ
2009年7月13日 朝日新聞
衆院の解散・総選挙をめぐる政局の行方が、ますます混沌(こんとん)としてきた。
きのうの東京都議選で、民主党が大きく議席を伸ばし、第1党に躍り出た。一方、自民党は惨敗し、公明党とあわせた与党で過半数を割り込んだ。2大政党の勢いの差は明らかだ。
都議選とはいえ、都政に絡む争点はすっかりかすみ、総選挙の前哨戦そのものの盛り上がりだった。麻生首相が自ら離島を除くすべての自民党候補の事務所を回ったのも、この選挙が政権の命脈を決定づけかねないと見たからだろう。
それだけに、首相が被ったダメージは深刻だ。先週の静岡県知事選での敗北に続いてのことであり、政権交代への有権者の期待の大きさがくっきりと浮き彫りになった、と見ていい。
「麻生首相で総選挙は戦えない」「このまま選挙に突入すれば集団自殺だ」。そんな解散先送り論が、与党内で一気に燃え上がるのは必至だろう。
だが、総選挙を先延ばししたとしても、自民党に活路がひらけるとは思い難い。衆院議員の任期切れは2カ月後だ。総裁選の前倒し論やタレント出身の東国原英夫宮崎県知事らの擁立説もあるが、有権者の目には最後のあがきとしか映らないのではないか。
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07月14日(火)
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