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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 中国:何のためのオリンピック
国際人権団体「居住権・強制退去問題センター」(本部ジュネーブ)によると、五輪開催が決まった01年7月以降、北京で少なくとも150万人が五輪関連の施設工事や道路拡張で立ち退きをさせられた。同センターは「無理な撤去でけが人が出ている」と批判する。
8月6日、于さんの家の跡地を聖火が走る。(峯村健司)
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相次ぐバス爆破事件で脅威が高まる
2008年8月4日 月曜日 BusinessWeek
開幕が近づいた北京五輪。ここにきて中国政府は、五輪がテロの標的になるという恐ろしい可能性を突きつけられている。
7月23日、テロ組織と見られるグループが、数日前に中国南西部の雲南省昆明市で2人が死亡したバス連続爆破事件に関し、ビデオ映像による犯行声明を出した。同組織は5月に上海で3人が死亡したバス炎上事件の犯行も認めた。
トルキスタン・イスラム党(TIP)を名乗るこの組織は、イスラム系少数民族、ウイグル族の分離独立派で、中国の最西部に位置する新疆ウイグル自治区の独立を目指す組織と見られる(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年3月27日「チベット騒乱は氷山の一角」)。
TIPは声明の中で、8月8〜24日に開催される北京五輪などを標的にしたテロ攻撃を予告した。テロ組織や過激派の情報分析を手がける米インテルセンター(本社:バージニア州アレクサンドリア)の翻訳によれば、TIPのセイフラ司令官と名乗る人物は、「五輪関連の最重要施設を標的とする。これまでにない手段で中国の中心都市に深刻な打撃を与える」と警告した。
中国政府は直ちに、国営報道機関を通じ、バス爆破事件と五輪との関連を否定した。中国国営の新華社によれば、雲南省公安当局者が7月26日、「今のところ、爆破事件をテロ組織や北京五輪と関連づける証拠は何もない」との見解を示した。また、上海市公安当局者が「爆破は人為的だったが、テロとは関係ない」と述べたとも報じた。
力が入る中国政府、五輪会場周辺には地対空ミサイルを配備
テロの危険に対する当局の公式な見解はさておき、中国政府が五輪の安全性を最重要視しているのは間違いない。国家体育場(愛称:鳥の巣)や国家水泳センター(愛称:水立方)などの五輪会場周辺には地対空ミサイルを配備。開会式の時間帯は北京国際空港を閉鎖するなど、今回の北京五輪はこれまでのオリンピック大会で最も安全対策に力が入っている。
中国の習近平国家副主席は7月21日、五輪施設を視察した際、「中国らしさのある最高の五輪を開催するには、まず安全が大前提。最大の課題は安全対策だ」と述べたと新華社は報じた。
安全対策の万全を期すため、中国政府は爆発物や化学兵器による攻撃、選手の誘拐などを想定した一連のテロ対策訓練を6月に実施。警察官、人民軍兵士、ボランティアを合わせて10万人以上の警備要員を市内各地に配置する予定だ。
北京に続く主要道路に設置された検問所では、北京入りする人の身分証を確認。北京市内の鉄道や地下鉄の駅には、爆発物探知犬を連れた武装警官が巡回している。北京市内の地下鉄全93駅には、銃や刃物、爆発物、可燃性液体類などを検知するため、新たに警備員2000人とX線検査装置200台が投入されている。
さらに中国政府は、不審な動きを見張るために監視カメラ30万台を北京市内一帯に設置した。五輪会場へ入る際は、一般的な金属探知機から指紋や虹彩の認証システムまで様々な手段を用いた検査を受ける。
中国が五輪用の監視設備にかける費用は65億ドルと史上最高額で、米業界団体のセキュリティー産業協会(本部:バージニア州アレクサンドリア)によれば、2004年アテネ五輪の14億ドルを大幅に上回る見通しだ。
閉鎖的な政治体制は安全対策に有利
北京五輪組織委員会(BOCOG)の劉紹武(リウ・シャオウー)安全保障部長は7月23日、「五輪の安全対策を徹底して行っており、警備要員や設備などの警備態勢は万全。中国政府は安全を脅かすいかなる行為にも適切に対処できると確信している。安全で平穏無事な五輪開催を実現してみせる」と語った。
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08月07日(木)
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