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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■小沢騒動の顛末
 長年、政権交代の必要性を訴えていたことを考えれば、党首会談に応じることがあるとしても、連立論を検討すること自体に違和感がある。7月の参院選で、民主党に第一党の地位を与えた民意と矛盾する行為だと受け止められることは、小沢氏自身がもっともわかっているはずだ。

 詳細は発表されていないが、党首会談では自衛隊の海外派遣のあり方を普遍的に定める恒久法に関し、首相と小沢氏との間で大きな歩み寄りが生じた可能性がある。

 それ自体はきわめて有意義だが、十分な説明がなされないまま、ストレートに大連立論につなげようとすることにも無理があろう。

 自民党幹事長当時、湾岸危機への日本の対応の不十分さを認識し、人的活動を含む国際貢献の必要性を主張したのが小沢氏だ。国際社会から高い評価と期待を集めるインド洋での補給活動を、政府・与党の攻撃材料とした問題設定にそもそも無理がある。そういう意見は民主党にもあったはずだ。

 国際的な信用や国益にもかかわる外交・安全保障のテーマについては、政権側と同じ土俵で議論できる。政権政党を目指す民主党がさらに成熟することが、あらためて求められている。

 ≪問題は中選挙区の復活≫

 今回の大連立論で見逃せないのが、実現した場合には小選挙区制を中選挙区制に戻すというテーマが付随していることだ。首相も小沢氏も明確にしていないが、与党幹部からはそれを前提とした論評が相次いでいる。

 中選挙区制復活という考え方は、政権交代可能な二大政党制を確立する道筋を放棄することにつながる。大連立に参加した議員らを、その後の選挙でどう振り分け、生き残りを図っていくかという側面が露骨に見える。

 有権者を無視したものであり、大連立の目的が政権の延命にあると受け止められかねない。

 夏の参院選で自民党が大敗した時点から、「政策実現のための新体制」として首相が大連立論を温めていたようだ。展開しだいでは、自ら政権の危機を招くリスクを冒して大連立論に踏み込み、国政の停滞を何とか打開しようとした決断は評価したい。単に政権維持を図る目的とはいえまい。

 いずれにせよ、党首会談の目的や内容について、有権者には分からない点が多すぎる。

 会期末を控えた国会の見通しは不透明だが、両党首による初の党首討論が予定されている。

 両氏はこの場を使い、密室での党首会談を再現するような気持ちで、国政への思いを開陳すべきだ。

 それなくしては、引き続き求められる政策協議の道は閉ざされかねず、対立ありきの不毛な現状からの脱却が困難となる。

11月05日(月)
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