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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■中越沖地震の記録 (21)
柏崎刈羽原発の建物や敷地内には97台の地震計が設置されている。東電によると、最大680ガルを記録した原子炉本体のある原子炉建屋だけでなく、ほとんどの建物での揺れが、想定を上回った。3号機タービン建屋1階で観測された東西方向の2058ガルは、想定値(834ガル)の約2・5倍。東電は「原発でこれほどの揺れが観測されたのは、恐らく初めて」という。
新型の地震計33台では、地震波の波形データも得られた。これに基づき、各原子炉建屋での揺れを詳細に解析したところ、建屋内の機器などほとんどすべての構造物の揺れが、想定を上回ったことも判明した。1〜4号機建屋の方が、5〜7号機に比べ、揺れが大きかったことも分かった。
原子炉の圧力容器や、緊急炉心冷却装置などの最重要機器は、設計強度に余裕を持たせてあるため、想定を上回る揺れがあっても、ただちに破損するわけではない。また、分析の結果、強い揺れをもたらした地震波が、1〜7号機とも、周期0・5〜1秒の間に集中しており、原子炉が共振しやすい周期はもっと短いため、大きな被害が避けられた可能性もある。
東京大学地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授は、2058ガルの揺れについて「周辺地域の活断層評価が十分でなく、未知の活断層による揺れの予測が甘かった」と話している。
(2007年7月30日22時2分 読売新聞)
7、波打つ敷地・焦げた壁・続く油漏れ…柏崎原発建屋内を公開 読売新聞
東京電力は21日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所の建屋内部を報道陣に初めて公開した。
波打つ敷地内の道路、焦げた壁に囲まれた3号機の変圧器など、原発関係者も想定していなかった〈ありえない光景〉が広がる。地震のツメ跡が生々しい原発施設の姿を見た。(科学部 米山粛彦)
3号機の変圧器に近づくと、油のにおいが鼻をツンと突く。変圧器内の油を密封している絶縁体のふたが地震で外れ、今も油が流れて出ているためだ。炎上が激しかった変圧器の壁は真っ黒に焦げ、数十メートル離れた消火栓の脇には、消火活動に使おうとしたとみられるホースが放置されたままになっていた。
7基の原子炉自体には異常はないとされるが、原子炉建屋の周囲を歩き回ると、道路や砂利は海のように波打っている。地下深くの岩盤に直接建てられた原子炉建屋とは違い、変圧器は軟らかい土の上に設置されている。このため、地震の揺れで土の部分だけが沈み込み、建屋と変圧器に段差が生じた。東電社員が段差にメジャーを当てると、その長さは50センチ程度もあった。
異変は、変圧器周辺にとどまらない。
1号機近くの軽油タンク脇の地面は、1・6メートルも沈んでいた。このため消火用の配管が傷つき、交換工事が始まっていた。「変圧器などの周辺施設に、原子炉建屋ほどの強い耐震性を持たせていないのが問題だった。今回の地震をこれからの想定にどこまで生かすかは検討課題だ」。発電所の幹部は、神妙な顔つきで語った。
しかし、固い岩盤の上に建ち、地震に強いはずの原子炉建屋では、さらに想定外の異変があった。
微量の放射性物質を含む水が見つかった6号機。この原子炉建屋の中3階と3階には、原発を制御する機器などが置いてあり、放射性物質を扱わない「非管理区域」のはずだった。
しかし、地震後、ここに放射能に汚染した水が合計1・5リットル余り散乱していた。
これらの水は地震の揺れで、使用済み燃料プールから建屋最上階(4階)の床にこぼれ、壁の中の配管を伝い、中3階と3階の天井にあるダクトや電気コード棚からしたたり落ちたとみられる。
放射性物質を扱う「管理区域」から「非管理区域」への漏れ。検査した東電社員も検査結果に「まさか」と思い、検査をやり直してしまったほどだ。
現場には、水が再びしたたることも想定し、ピンク色のシート、さらにその上にはバケツや紙タオルが置かれ、最先端の原発施設には似つかわしくない光景があった。
(2007年7月22日0時6分 読売新聞)
8、地震防災研究 活断層の評価が甘過ぎる 新潟日報社説
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07月31日(火)
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