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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■ 石原銀行 唯我独尊の成れの果て
当初から『石原銀行』と皮肉を込めて呼ばれた新銀行東京。もとは、「大手銀行の貸し渋りで資金繰りに悩む中小企業を救済したい」と、石原都知事が2003年の選挙公約に掲げ、無担保・無保証を看板に05年4月から開業した。
開業当時からの代表執行役は、トヨタ自動車出身の仁司泰正・元代表(07年6月退任)だったが、当初から審査がずさんで、返済の意思のない詐欺師まがいの事業者にも融資をし、すぐに焦げ付くなど不良債権が累増。08年3月期決算の累積赤字は1000億円を超える見込みだ。
東京中小企業家同友会が会員200社を対象に行ったアンケート調査では、「新銀行東京は中小企業に役立っているか?」に、「役立っている」と答えたのはわずか21社。121社が「役立てっていない」と答えている。
同時に、仁司・元代表執行役はもちろん、石原都知事に対する責任論も急速に高まっているのだが、石原都知事は謝罪と得意の強弁を使い分け、基本的には強気の姿勢を崩さない。
冒頭に触れた昨日の予算委員会の紛糾部分を再現すると…
石原「400億円の追資を認めて頂かないとこの会社は潰れますよ。潰れたらもっともっと大きな損害が出て犠牲者が出るんですよ。あなた先のことを考えなきゃ」
吉田信夫(共産)「1000億円の赤字を作った人間にそんなこと言われる筋合いないですよ。あなたが、いかに先の見通しがなかったかってことじゃないですか。ふざけたことを言うんじゃないですよ」
小倉は「高金利、無担保で貸して誰が考えてもうまくいくわけがない」。呼応してタレントのデーブ・スペクターが「街金より借りやすいという話があったですが、なぜもっと早く監督しなかったのですかね」と。
得意の強弁も今や通用しなくなった石原都知事。07年の都知事3選は余分だったのでは?
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新銀行東京 旧経営陣だけの責任なのか(3月12日付・読売社説)
こんな甘い融資姿勢では、銀行が傾くのは当然だろう。
経営危機に陥っている「新銀行東京」が、その主因は、銀行設立時の代表執行役らが放漫な貸し付けを推し進めたからだ、などとする調査報告をまとめた。
報告書によれば、当時の経営陣は、相手企業の返済能力を十分に審査せず、限度額いっぱい融資することを貸し付け担当者に奨励した。返済が滞っても、融資から半年以上たっていれば、担当者は責任を問われなかった。
貸し渋りに苦しむ中小企業に融資する、という設立目的があったにせよ、銀行としての限度を逸脱している。
大甘の融資によって救われた企業もあるだろうが、問題企業もまた群がって来たことは容易に想像できる。牛肉偽装で摘発された食肉卸会社に対し、不祥事が発覚した直後に融資を実行したことも判明している。
新銀行東京は、東京都が資本金の8割以上、1000億円を出資している“子会社”だ。都は、設立当初の経営陣を民事・刑事両面で追及する、という。
都民の税金で支えられた銀行で乱脈融資があったとなれば、見逃すことはできない。旧経営陣の責任を問うのは当然だ。
しかし報告書は、都の責任についてはまったく触れていない。石原知事はじめ都の幹部が被害者のように振る舞うことに、納得できない都民が多いのではないか。
新銀行東京は、石原知事が2期目の公約の目玉に掲げ、前面に立って設立を推進した。
不況下の中小企業を救う、という名分だったが、3年前の開業時は景気が上向き、大手金融機関も中小企業向け融資に力を入れ始めていた。新銀行の設立自体、再考すべきだったのではないか。
先行きが懸念される中でのスタートだった。都は開業時から経営の細部まで注意を払っていたはずだ。そうでなければ怠慢ということになる。杜撰(ずさん)な実態を全く知らなかった、では通らない。
都が被害者の立場を強調するのは、そうしなければ、新銀行東京に対して400億円もの追加出資を行う議案を都議会で通しにくいという事情もあろう。
だが、石原知事は失策を認め、勇気を持って、銀行業からの撤退を表明する時ではないか。
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03月14日(金)
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