ID:22831
『日々の映像』
by 石田ふたみ
[257957hit]

■ 殺人ギョーザの波紋どこまで広がる
 だが、そんな悠長なことを言ってられない国際環境が中国を取り巻く。 被害が拡大の一途となっている日本では、世論の声に後押しされるように舛添要一厚生労働相が、輸入禁止措置を定めた食品衛生法第8条の発動に言及している。

 大統領選まっただ中の米国では、ヒラリー・クリントン、オバマ両民主党候補がともに中国製品の安全性を批判したこともあり、ギョーザ事件を契機に米世論が一気にチャイナフリー(非中国産)に大きく傾く可能性がある。

 韓国でもギョーザ事件は大きく報道され、中国批判が強まっている。2005年に中国産キムチから寄生虫の卵が見つかり、韓国では批判が噴出した。今年になって、ようやく中韓間の輸出入が正常化した経緯があり、今や「日米韓という包囲網が布かれ、中国が追い詰められた状況」(富坂氏)なのだ。

 だが、中国政府はギョーザ事件だけにかかわってはいられない深刻な問題を抱えている。史上まれにみる大寒波の襲来である。

 現地報道によると、中国人が故郷を目指して民族大移動する春節(旧正月)直前にもかかわらず、中南部では半世紀ぶりの大雪に見舞われた。多くの地域が長期の停電に見舞われ、南北を結ぶ交通は完全にマヒしてしまった。

 政府は解放軍20万人を救助に動員する非常事態に入り、胡錦涛国家主席らが被災地入りし、「災害克服に向け、全中国が団結するとき」と呼び掛けざるを得ない状況に追い込まれている。

 広東省の広州駅では約50万人が足止めされ、飲まず食わずで排便を垂れ流すしかない惨状。温家宝首相が駅の1つに駆け付け、拡声器で「もう少しの我慢を!」となだめる場面もみられた。14日間も封鎖されたままの高速道では車内に閉じこめられ、多数の凍死者が出ているとも伝えられる。

 富坂氏は「胡錦涛政権にとって当事者能力が問われる最大の試練で、正月過ぎには温かくなってくれないと危機的状況に陥る」とみる。

 だが、天災を乗り越えてもなお、国際社会からギョーザ問題の解決を突き付けられており、「解くにも解けない矛盾を抱えた、まさに内憂外患だ」と指摘する。胡政権は発足以来、最大の危機を迎えているわけだ。

 さらに五輪開催に向け各国の専門家が憂慮するのが中国からの新型インフルエンザの大流行だ。人は新型ウイルスへの免疫を持っていないため、感染すれば死亡する確率が高く、豪州の研究機関は最悪の場合、中国だけで約2800万人が死亡すると試算している。

 「新型インフルエンザの流行が起きれば、ほかの対応どころではなくなり、五輪自体が吹っ飛んでしまう恐れすらある」。富坂氏はこう警告している。
2008/2/2 17:01 更新
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

毒ギョーザ”観光業界追い打ち…五輪特需に冷や水
2008/2/2 夕刊フジ
 一向にやまない“殺人ギョーザ”騒動に、観光業界も戦々恐々だ。8月の北京五輪を前に、新年度の中国ツアーの特需をアテにしていた営業担当者にとっては、予期せぬ冷や水を浴びせられた格好。ツアー申し込み客から食事の心配をする声が多く寄せられる中、「レストランやホテルで提供される食材の仕入れ先まで、一つ一つチェックできるわけがない」と頭を抱えている。

 「五輪前に大変なことをしてくれた。初めて中国を訪れるお客さまは何を信用したらいいのか、ますます不安になる。観光客は結局、老舗や旅行社紹介のレストランに頼るしかない。北京の外食関係者はみな危機感を抱いています」

 長年、中国への業務渡航を専門に取り扱う旅行会社社長は、こう憤る。

 旅行客の中国の食への不信感は、昨年来急速に高まっており、五輪効果でやっと収束してきたところ。それだけに、関係者の衝撃は大きい。

 この数年、北京ダックなどが観光客に人気のレストランが相次いで地方進出し、現地の業界関係者の間では食材への不安が渦巻いていたという。


[5]続きを読む

02月05日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る