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『日々の映像』
by 石田ふたみ
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■小沢騒動の顛末
二人とも一体何を考えているのか。参院選で示された国民の意思や民主主義の本旨を忘れた行動と言わねばならない。とりわけ小沢氏は二回目会談の前日まで、「大連立」の可能性をきっぱりと否定していただけに不透明さが募る。
なぜ、小沢氏は首相の提案をその場で拒否しなかったのか。民主党役員会が連立協議に応じないとする方針を即決したのは当然である。小沢氏の手法と見識を厳しく問わねばならない。
だが、これで大連立の火が消えたと見なすのは早計だ。むしろ、国民の目が届かないところで熱源が広がる可能性さえある。政府首脳や自民党幹部らの落胆ぶりがそれを証明している。
大連立では現在の与党の枠組みに民主党も加わる。そうなれば衆院の93%、参院でも89%の議席を持つ超巨大与党が出現することになる。国民の選択肢を奪い、国政へのチェック機能も働かない。翼賛政治そのものだ。
福田首相は、新テロ対策特別法案をめぐって行き詰まっている国会の現状を打破するために連立協議を呼び掛けという。その前に、どうして法案に理解が得られないかを考えるべきだ。
政府与党の主張はインド洋での海上自衛隊の給油活動再開ありき、である。憲法上疑義があり、対米支援の側面が強い給油活動だけが国際貢献だという理屈は納得できない。
小沢氏は会談で、自衛隊の海外派遣を随時可能にする「恒久法」の制定を呼び掛けた。国連決議に基づいて、との前提付きではあるが、国民的論議を置き去りにして進められる話なのか。
大連立といい恒久法といい、これほど重要なテーマが党の機関決定抜きに密室で話し合われること自体、政党政治の常識に反する。
私たちは参院選後、次のように主張した。衆参のねじれには効用もある。与野党が国政の重要課題について精緻(せいち)な案を出し合って論議する。そうすれば国民に分かりやすい政治になる。
これは参院選に託した国民の声でもある。大連立構想は国民に対する裏切りといっても過言ではない。本気でねじれを解消したいなら、衆院解散・総選挙で国民の審判を仰ぐべきだ。その覚悟もなく連立話をもてあそぶなど、政治に対する冒涜(ぼうとく)と断じていい。
両氏は今後もこうした話し合いを継続する方針だ。表に出てきた会談内容はごく一部でしかない。政界に疑心暗鬼と憶測をまき散らすのはこれきりにしてほしい。国会を迷走させ、大事な法案の審議を遅らせるだけだ。福田首相と小沢氏の猛省を求める。
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大連立論 まず国益ありきが前提 民主党は成熟政党に脱皮を
2007.11.4 産経新聞社説
福田康夫首相(自民党総裁)と小沢一郎民主党代表との党首会談で浮上した両党の大連立論は、ひとまず立ち消えとなる情勢だが、いくつかの疑問点がある。
重要政策について、二大政党があらゆるレベルで協議を模索する努力は引き続き欠かせない。しかし、二大政党同士の大連立は、政権交代可能な政治状況の構築を目指して衆院に導入した小選挙区制の趣旨と矛盾しよう。
本来、政権は国民が選挙を通じて選択すべきものという観点からも、具体的な目的、内容が示されないままでの大連立論を支持することは難しい。
≪不可解な小沢氏の行動≫
さらに、問題なのは、今回の大連立論が法案処理の国会対策を主眼に、ねじれ現象の解消だけをもくろんだ「国対連立」の様相を呈していることである。真に必要な政策の実現に、党派を超えて取り組む「国益連立」にはなっていない。
それにしても不可解なのは、参院選を大勝に導いたことで求心力を強め、衆院選を経て政権交代を目指す方針を明確にしてきた小沢氏が、なぜ今になって自民党との大連立論に乗ろうとしたかである。会談の席上、拒否しなかった点について、党内でも不満や疑念が生じている。
小沢氏は、小選挙区制導入を中心とした政治改革をめぐり、自民党を飛び出して非自民政権樹立などに動いた張本人である。
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11月05日(月)
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