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つらつらきまま
by seri
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■生きがいがあるのよ それだけでいいの
朝6時半ごろ、テレビをつけながら布団の中でまどろんでいたら、突然、携帯からけたたましいサイレンが鳴り響いたので、びっくりして液晶を見ると「緊急地震速報」というおどろおどろしい文字が。
寝起きで頭が働かないまま、とりあえずメガネと携帯を手にとり、上から落下するものがない風呂場にぼーっと行ってみたものの、全く揺れる気配を感じないので、部屋に戻り、頭をテーブルの下に潜り込ませた状態で、二度寝。
結局誤報だったけど、とっさの判断って出来ないものだなということを実感。
今度からは玄関まで走って、ドアを開けることを優先しよう。
昨日の「夜のらくごのおけいこ」は何をやったのだろうと思ってたら、小堀ブログで詳細を知る。
「愛宕山」と一緒に掛けた噺は、王楽さんのブログで見たら「長屋の傘」だったよう。
「愛宕山」は聞いたことないが、「長屋の傘」は聞いたことがある。
六代目松鶴の狂気あふれるエピソード満開だが、この師匠にしてこの弟子達あり、という笑福亭イズム満載の噺。
小堀さんもブログに書いていたが、同じ噺でもやる人が違えは、印象ががらりと変わることがあり、それが面白い。
「落語家・春桜亭円紫」が活躍する北村薫さんの「朝霧」(創元社文庫刊)という短編集には、「風呂敷」という落語を<セリフは殆ど変えず、表情やしぐさを僅かに変えるだけで、全く違う筋書きに仕立て上げたある師匠>のエピソードが出てくる。
「風呂敷」は、嫉妬深い旦那が留守中の家で、間男とおかみが逢い引きをしていたら旦那が戻ってきたので、間男は押し入れに逃げ込んだものの、旦那が押し入れの前で座り込んでしまって動かない。
おかみは困って、ある男に相談を持ち込んだところ、その男が風呂敷を持ってきて駆けつけ、今この家で起きていることを他の家で起きていることのように話して見せ、間男をどうやって逃がしたかを再現させるというと旦那に風呂敷をかぶせ、その間に間男を逃がす、というのが大まかな筋。
旦那は押し入れに間男がいるとは気づいていない設定だが、“ある師匠”は、全てお見通しである様子をにおわせ、嫉妬深いという元々の設定を、余裕があって周りのドタバタを楽しんている、という設定に変えた、ということになっている。
これが実際のエピソードかどうかは分からないが、文章を追うだけでなんともわくわくするというか、粋な話芸に感じる。
「たちぎれ線香」も、桂文枝師匠のお弟子さんである桂あやめさんは、「小糸」の視点から描く「たちぎれ線香〜小糸編」という噺を作っている。
ある意味、登場人物の数だけ色んなパターンが出来るのが落語の醍醐味。
漫才は2人の掛け合いだけで、実際にはそこにない世界があたかも存在するかのように見せていく広がり方が好き。
話芸も色んなパターンがあることを知ることが出来て良かった。
短い笑いがもてはやされる少し前の時代に間に合ったことも。
短い笑い全部が消えるとは思わないが、ほとんどが残っていくとも思わない。
古典とかベタとかいわれるものの強さには、かなわないと思う。
08月25日(火)
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