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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■名探偵Lの軌跡/映画『手紙』

 作曲家の宮内国郎氏の死去に、昨日の実相寺昭雄氏の死去に続いて衝撃を受ける。

 > 宮内国郎さん74歳(みやうち・くにお=作曲家)27日、大腸がんのため死去。葬儀は近親者で行う。自宅は東京都狛江市岩戸南1の5の2。喪主は長男俊郎(としろう)さん。
 > 「ウルトラQ」「ウルトラマン」など特撮テレビ番組や映画の主題歌作曲を中心に活躍した。
 > (毎日新聞) - 11月30日23時14分更新

 どの記事も、昨日の実相寺監督以上にそっけない。
せめて映画音楽の代表作と言える『ガス人間第一号』に触れてくれてもよかったのではないかと思うと悲しい。



 > 今度の主役は“L”、映画・デスノート“外伝”上演決定!
 > 今度は「L」が主役−。映画「デスノート」のスピンオフ作品が製作されることが11月30日、決まった。6月公開の「デスノート」、公開中の「デスノート the last name」で俳優、松山ケンイチ(21)扮する謎の天才「L」が想像以上の人気キャラクターとなったため、原作にはないストーリーが掘り起こされることになった。平成20年公開の予定。
 > 大人気映画の脇役が、前例のない早さで“独り立ち”を果たす。
 > 「デスノート」では、松山演じる「L」は藤原竜也(26)扮する主人公、夜神月(ライト)のライバル役。名前を書かれた相手が死ぬという不思議なノートを手に、世直しを目論む月と、月の犯行を暴こうとするLの壮絶な頭脳戦が話題を呼んだ。
 > 世界的に有名な天才探偵でありながら、奇妙な風貌というアンバランスなLのキャラクターが思わぬ大人気となり、難役に挑んだ松山も一気にブレークした。
 > スピンオフ作品は、現在のところ、Lが主役ということ以外はすべて白紙の状態。タイトルも未定。「デスノート」以前のエピソードが中心になるとみられるが、月との絡みの有無などはすべて謎のままだ。
 > 松山は「前編、後編で自分なりにLという役をやり切ったと思っていたのですが、撮影から3カ月たち、まだ何かやれたのでは? という思いが沸いてきました」と再チャレンジへの意欲を見せている。
 > 来年のクランクインに向けて「次は主人公ということもあって、周りがプレッシャーをかけてくると思うので、それを思うと重圧を感じてしまいそうです」と気を引き締めている。
 > 原作漫画「DEATH NOTE」は累計2300万部の大ベストセラー。映画「デスノート」は興収28億5000万円に達し、ハリウッドを含む海外数十社からリメークのオファーが殺到している。11月に公開された後編「−the last name」は同40億円を突破するなどさらに勢いを増している。
 > 空前のデスノートブームが、公開中の映画の続編発表という異例の展開につながった。松山=Lがさらなる旋風を巻き起こすのか、大注目だ。
 > (サンケイスポーツ) - 12月1日8時1分更新

 映画『デスノート』前・後編については、原作ファンから喧しい批判も寄せられていたようだが、殆どが自分の持っているイメージと映画のイメージとの乖離に起因する感情的な悪口で、一顧だにする価値もないものばかりであった。
 中にはプロのライターと称する人間までが「原作のライトは映画の藤原竜也ような馬鹿じゃない」などという記事を書いていたが、これなどは原作に対する過大評価の最たるものだろう。夜神月(ライト)は、第一話から「自分だけが天才だ」と思い上がっている馬鹿者で、最終的な敗者となることは予測できていた。
 通常の少年マンガで、「私は神だ」などと嘯く人間が勝者になった例などない。『デスノート』も少年ジャンプのマンガの一つに過ぎないということを考えれば、僭越な人間に罰が下されることは自明の理だったのである。
 『デスノート』の最大の失敗は、人気が出たために連載が長期化し、途中で本来は勝利者になるはずだったLを死なせざるを得なかった点であろう。
 金子修介監督が、『デスノート the last name』において、「本来、このような終わり方をさせたかったのではないか」という含みの結末を新たに用意したのは、蓋し、慧眼であったと言えるのである。


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12月01日(金)
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