ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491657hit]
■実相寺昭雄氏、死去/映画『ヅラ刑事(ヅラデカ)』
まずは訃報から。
以下の二つの記事を比較してみたいと思う。
【讀賣新聞】
> 「ウルトラマン」演出、実相寺昭雄さん死去
> テレビ番組「ウルトラマン」シリーズや映画「帝都物語」で知られる映画監督で演出家の実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)さんが、29日午後11時45分、胃がんのため死去した。69歳。
> 告別式は12月2日午前10時30分から、東京都文京区湯島4の1の8麟祥院で。喪主は妻で女優の原知佐子(はら・ちさこ)さん。
> 東京都生まれ。早稲田大学卒業後、1959年、東京放送(TBS)に入社。66年の「ウルトラマン」をはじめ、「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」などの特撮ドラマを演出し、69年の短編「宵闇せまれば」で映画を初監督。翌年同社を退社後、長編第1作の「無常」を手がけ、映画「曼陀羅(まんだら)」「あさき夢みし」などで、日本的な精神風土に迫る作品を撮った。 - 11月30日13時31分更新
【毎日新聞】
> <訃報>実相寺昭雄さん69歳=映画監督 ( - 11月30日 10:40)
> 「ウルトラマン」「帝都物語」などで知られる映画監督の実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)さんが29日午後11時45分、胃がんのため東京都内の病院で死去した。69歳。葬儀は12月2日午前10時半、文京区湯島4の1の8の麟祥院。自宅は非公表。喪主は妻で女優の原知佐子(はら・ちさこ=本名・実相寺知佐子)さん。
> 早稲田大卒業後、1959年、ラジオ東京(現TBS)に入社し、ドラマの演出をへて映画部に転属。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」などの演出を手がけ、69年「宵闇せまれば」で映画監督デビュー。TBS退社後、「無常」「あさき夢みし」など、実験的作品を発表した。陰影を強調した奇抜な構図や、エロチシズムを追求した作品で、根強い人気を獲得した。
> 88年「帝都物語」、98年「D坂の殺人事件」、05年「姑獲鳥(うぶめ)の夏」などの小説の映画化や、「アリエッタ」「ラ・ヴァルス」などエロチシズムを描いた作品を精力的に監督。夏目漱石の小説が原作のオムニバス映画「ユメ十夜」の一編、自身が演出したテレビ番組を映画化した「シルバー假面(かめん)」を監督し、公開予定だった。
> 舞台やオペラの演出、「ウルトラマンのできるまで」などの著作も多数。東京芸術大学名誉教授。
一見して、毎日新聞の方が実相寺監督の業績を簡にして疎なく、まとめている。
毎日は、舞台やオペラの演出をされていたことにまで触れているが、近年、映画以上に実相寺さんが舞台に傾注していたことを思えば、愛に溢れた記述と言ってもよい。
それに比べて、「讀賣」の味気なさは何なのか。
いったい、「記事の書き手は実相寺さんの何を見ているのか」と怒りを覚えるほどだ。
「日本的な精神風土に迫る作品を撮った」というのは、ありふれた表現で、しかも的確とは言いがたい。批評の言葉としては、浅薄過ぎると言ってもいいだろう。
『歌』や『曼荼羅』、『あさき夢見し』と言ったATGでの一連の作品、果たしてそれらをそういう大雑把なくくりで捉えていいものかどうか、という疑問が湧いてくる。
「大雑把」と言うなら、「毎日」も同様ではあるが、「陰影を強調した奇抜な構図や、エロチシズムを追求した作品で、根強い人気を獲得した」の方が、まだ具体的に映像の特徴を捉えていると言えるだろう。
映像の意味・解釈などは、観客が勝手に想像すればいいことで、最初から「説明」してしまっている「讀賣」の記事は、ほとんど記事とは言えない言葉の羅列に過ぎなくなっているのだ。
讀賣から毎日に乗り換えようか(苦笑)。
「実相寺昭雄」の名前をいつごろから意識し始めたのかはよく分からない。
『ウルトラマン』本放送時の私は3歳。とてもじゃないが、各輪演出のスタッフの名前までは知りようもない。「円谷英二」だって、「エンタニエイジ」と読んでいたのだ(私は早熟だったので、3歳でも漢字は読めていた)。
[5]続きを読む
11月30日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る