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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■いじめを楽しむ人々/映画『アジアンタムブルー』
> いじめた生徒は出席停止に…教育再生会議が緊急提言へ
> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061125-00000006-yom-pol

> 学校でいじめによる自殺が相次いでいる事態を受け、安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は25日、いじめ問題に対する緊急提言を来週にもまとめ、公表する方針を固めた。
> 都道府県や市町村の教育委員会に対し、〈1〉いじめた児童・生徒に出席停止など厳しい対応を取る〈2〉深刻ないじめ問題が起きた場合に備え、緊急に学校を支援する態勢をつくる――ことなどを求める。(後略)

> (読売新聞) - 11月25日14時41分更新


 記事の見出しだけ見てるとねー、いかにもちゃんといじめ対策を取ってますよ、と言いたげなんだけれども、ウラを返せば、これまで、いじめた子どもを出席停止にもせずに放置してたってことなんだよねー。

 一応、説教くらいはしたと思うよ?
 あるいは担任教師がクラス全体に向かって「いじめられた子どもの気持ちを考えよう」とか演説ぶったりとか、学年集会や全校集会を開いて「命の大切さ」を訴えたりとか。
 でも、そんなことをこれまでいくらやっても効果がなかったんじゃないの?
 どうしてこれまで、いろんな対策を取ってきて、お偉いさんや識者のみなさんも様々な提言を繰り返してきたのに、いじめがなくならないどころか陰湿化・深刻化してしまったのかって、根幹的な部分を考えないと、どんな対策だって所詮は管理する人間側の「気休め」にしかならないんだけどねー。

 私も、小学生のころ、クラスの不良にかなりいじめられてさ、そのことをセンセイに訴えて、「いじめはやめよう」ってクラスで言ってもらいはしたんだけれど、その直後から「てめえ、チクんなよ」っていじめられたよ。
 いじめる人間ってのはそれが悪いことだって認識自体が欠落してるんだから、説教で何とかなるんだったら、最初からそんなのやってないっつーの。

 通り一遍の答申や機能するかどうかも分からない委員会を発足させたって、所詮それはただの世間サマに対するタテマエで、文科省とか政府が、いじめ問題に本気で取り組むつもりなんてないことは、先からハッキリしている。
 それは、いじめ自殺を助長したのが、当の文科大臣だってことに全く言及していない、責任を追及してないってことからもよく分かるのだ。

 ほら、あの例の「いじめられてるので何月何日に自殺します」って投書を公開して、呼びかけたやつね。
 文科省は「信憑性が高い」とか何とか言ってたけど、結局当日は何にも起こらず、その予告日の翌日から自殺が流行し始めたんだよねえ。
 んな、イタズラだって一発で分かるものに引っかかっちゃったんだよねえ、一国の大臣ともあろうものが……。
 誰か、「うかうかとこんな愉快犯に乗せられちゃいけません」って止めるやつぁ、文科省にはいなかったのか。

 「でも、万が一、本当に自殺を考えている子供がいたら」
 そう心配する心理は確かに理解できるんだよね。
 もしもこの件を放置しておいて、実際に生徒が自殺するようなことがあったら、取替えしがつかない。だから何か対策を取らなければ、と考える。
 確かに、ここまではいいのだ。
 けれど、だからって、焦ってあんな「全国の子どもたちへのメッセージ」なんてことやらかして、問題を拡大させちゃダメなんだよ。

 文科大臣は、あの時、取ってはいけない最悪の手段を取った。
 あれは決してテレビで公開するなんてことはせずに、秘密裏に調査を続けるべきだったのだ。
 本当にいじめで苦しんでいる子供がいたとしても、文科大臣に投書するくらいだ。状況は最悪だと想定すべきである。もう、親も教師も友達も当てにならない、そこまで追いつめられていると。
 それを短絡的に「死ぬな」とか「周りの大人に相談して」とか言ったって、いじめられた子どもにしてみれば、「それができりゃとっくにそうしてる!」と叫ぶしかないんじゃないか。
 センセイの管理能力なんて、たかが知れている。
 目の届かないところで陰湿ないじめが繰り返されることは間違いない。



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