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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■あさりよしとおサイン会/『仮面ライダー響鬼』三十八之巻 「敗れる音撃」
 昨日が休日出勤だったので見られなかった『ウルトラマンマックス』、録画しておいた第18話「アカルイセカイ」(幻影宇宙人シャマー星人登場)を見る。タイトルは『アカルイミライ』のモジリだろうが、内容はまるで無関係。つか、文字通り闇を嫌う宇宙人が、巨大な反射板で世界から夜をなくして明るくしちゃうお話。
 シャマー星人を演じるのはワハハ本舗の佐藤正宏さん。いささか悪乗りのし過ぎで、こういうのが楽しい人には楽しいのだろうが、私にはダメとまでは言わないまでも、「外している」ようにしか見えない。佐藤さん、もっと愛嬌のある役柄をやらせてもいいと思うのだが、今回のシャマー星人はDASH隊員たちを徹底的にバカ扱いしていて、あまりいい感じはしない。まあ、所詮は侵略宇宙人だから、いい人っぽくなっちゃっても困るんだろうけれど。『ウルトラマンタロウ』はこんな感じのエピソードが多かったよなあと思いつつ、また三池監督が復帰しないかなあとか思う。


 『仮面ライダー響鬼』三十八之巻 「敗れる音撃」。
 さて、30話以降、思い切りトチ狂ってしまった、「旧」響鬼ファンの皆様、脚本家が井上敏樹から米村正二氏に代わりましたよ。これで安心してまたヒビキを見続けられますね。
 と、簡単に言ってのけることもできないんだろうけれど、目を覆いたくなるような雑な展開はかなり減った。桐矢君から散々バカにされ続けてもなぜか優柔不断なままだった明日夢君も、吹奏楽部の落ちこぼれになりそうだと気付いてようやく、「特訓」を始めるようになる。それはあくまで吹奏楽部の特訓なんだけれども、これで「鬼の弟子」になるきっかけはようやくできてきた感じだ。
 って、やっぱりここまで来るのに40話近くをかけちゃったってのは、いくらなんでも長すぎだよなあ。せっかく投入した桐矢君がいまいちお笑いなキャラで、明日夢君を鼓吹するにはいたらなかったのはやはり脚本の井上敏樹の失敗だろう。思い付きで「面堂終太郎」をぶち込んでみたものの、明日夢君は「諸星あたる」じゃないんだから、桐矢君のツッコミにツッコミで返すような器用なマネはできない。
 つか、明日夢君はもともと鬼になる気はなかったんだから、「俺がヒビキさんの弟子になる!」と意気込まれても、すぐには反発できないんだよね。「そう言われても僕は鬼になるべきなんだろうか」とか悩むばかりで。
 多分、井上敏樹は、脚本を書きながら、「しまった、桐矢に何をやらしても明日夢が動かねえ!」と頭を抱えたに違いない。どっちかと言うと、桐矢君が「動かした」のはあきらの方だった。明日夢君と違って、あきらは既に鬼の弟子になっていて、自分の復讐心と鬼としての資質との狭間で行き詰まりを感じていて、だから桐矢君のストレートで不躾なモノイイがぐっさりと胸に刺さることになったし、朱鬼の元に走ることにもなったのである。わずか二話で急激に。
 やっぱり29話でいったん『響鬼』を終わらせてしまったのは、後を引き継ぐ人たちにとっては相当困った事態だったんだ、と思わざるを得ない。つか、あの幕切れは、ある意味「いやがらせ」ですらある。「別に鬼の跡を継がなくてもよくなった」明日夢君に、「弟子になること」を決意させるのは、いったん死んだ沖田館長を蘇らせなきゃならないことくらい、難しいことなのである。
 でもこれからの展開、ザンキは爆弾抱えたままの体で、恐らくは自らの死と引き換えにあとに何を残せるか模索することになるだろうし、あきらに去られたイブキ、ザンキに突き離されたトドロキは、どん底から這い上がるための必死の努力をしいられることになるだろう。ようやく『響鬼』は「ドラマ」らしくなってきたと言えるのである。
 まあ、29話までのまったり路線も悪くはなかったけどよ、やっぱり「石ノ森章太郎の遺志を継ぐ」のであれば、ライダーはライダーらしく、「さんだらぼっち」にしちゃいけねえよな、と思うわけよ。とんぼがお志摩と所帯を持ったのって、連載の終盤だ(笑)。
 これでようやく『響鬼』は「第三部」に突入、明日夢の決心と謎の男女との最終対決が描かれていくのだろう。実際、29話のように、最後まで明日夢が弟子にならないで終わってたら、やっぱりファンの多くが怒ったと思うんである。

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10月30日(日)
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