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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■あれもこれも/『ウルトラマンマックス』第15話「第三番惑星の奇跡」/『BLOOD+』第一話「ファーストキス」
 ブログ日記を書くようになって、こちらの日記とあちらの日記と、ネタが被ることもよくある。別々のことを書けばいいじゃないか、と言われそうだが、基本的にあっちとこっちとでは書いてる人格が違うので、同じ題材を扱っていても感想は微妙に違うのだ。
 そのへん、両方を読んでくださっている方は、見比べて楽しんで頂ければよいと思うのだが、しげはブログ日記のほうには「オタクネタは書くな」と言う。
 もちろんそれでも全然構わないのであるが、そうなるとあちらの日記には「今日も寝ているしげの鼻の穴にティッシュを詰めて遊んだ。寝ながらしげは『フン!』と力んで、途端にティッシュの栓はポーンと飛んでった」とか、そんなことばかり書くことになる。
 どんどんしげのアホ晒し日記になっていくのだけれど、それでいいのだろうか。


 『ウルトラマンマックス』第15話「第三番惑星の奇跡」(完全生命体イフ登場)。
 サブタイトルを聞くと、どうしても『ウルトラセブン』の「第四惑星の悪夢」を想起してしまう。あれは存在しない第四惑星(火星ではない)における機械化都市を描いた「寓話」であったが、今回はちゃんと地球を舞台にした、しかしやはり一つの「譬え」を描いた「寓話」として、旧作にも劣らぬ傑作として屹立することになった。
 脚本は『たどんとちくわ』『大怪獣東京に現る』『ドラゴンヘッド』のNAKA雅MURA(中村雅)、特技監督と監督を兼任するのは、『漂流街』『ゼブラーマン』『妖怪大戦争』ほかもうなんでも撮るぞの三池崇史。二人はこれまでにも『中国の鳥人』『アンドロメディア』『DEAD OR ALIVE 2 逃亡者』などでコンビを組んでいる。

 絵を描くことが大好きな少女アッコ(佐々木麻緒)。
 彼女は視力を失っていたが、その逆境にもめげずに音楽家になろうとフルートを吹き鳴らしている。そんな彼女をミズキ(長谷部瞳)は暖かく見守っていた。
 そんな時、宇宙から未知の物体「イフ」が飛来する。イフは、攻撃を加えるとその攻撃力を吸収、し、そのままの力を敵に反撃するという究極の生命体だった(寺沢武一の『コブラ』にそんなの出てきてたね)。「最強」の敵に対し、ダッシュは何の手も打ちようがない。
 ミズキはアッコが出演するフルートの発表会場だけは守ろうと、自ら囮となって、イフを公会堂から遠ざけようとする。イフの攻撃に絶体絶命に陥ったミズキの前に、ウルトラマンマックスが現れ、窮地を救う。しかしマックスのマクシウムカノンもまた、いったんはイフを破壊したものの、復活し完全体となったイフに取り込まれた。マックスに向かって放たれるマクシウムカノン。
 やむなく撤退するマックスにダッシュ。公会堂は破壊された。あれだけ健気だったアッコは、ミズキの呼び声にも反応できないくらいに心を失っていた。「ウルトラマンマックスにも何もできなかったのに、ダッシュに何ができるの?」。 イフの無差別攻撃に街は焦土と化し、その炎の中にアッコは泣きながらふらふらとさまよい出ていた……。

 「イフ」は言うまでもなく「戦争」のメタファーである。『ウルトラ』シリーズにはこれまでにも戦争を題材にしたエピソードは散見していたが、それは物語上の設定であるとは言え、「軍隊の放棄」を憲法に明記している日本に常に「防衛軍」が存在している矛盾について、過去のスタッフたちが忸怩たるものを感じていたことの現れでもあったろう。ただ、子供番組という制約もあってか、直接的な形でウルトラシリーズが戦争を描いたことはまだない。過去の戦争が語られるか、背景として提示されるか、隠喩として使われるか。今回はその最後のパターンであるが、ものが「武器」であるだけに、描写としては最もリアルに戦争のイメージを喚起することに成功している。

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10月08日(土)
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