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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■シメキリギリギリ/映画『奥さまは魔女』
今度の舞台の脚本、しげから言い渡されていたシメキリは昨日だったのだが、まだ殆ど進んでいない。調べものがかなりあって、あれこれ本ばかり読んでるんで進まないのだが、まあそんなのは言い訳である。
「書き上がんないなら中止するよ!」のしげの怒声に、「一週間待って」と頭を下げる。毎度毎度、シメキリ過ぎなきゃエンジン掛からないのは自分でも困ったものだとは思うけれども、煮詰まったところから絞りカスのようにして出て来るアイデアほどいいものだったりするものなので、もうチョイ、忍耐して暖かく見つめておいていただきたいのである。
「クールビズ」の浸透度が大企業の八割以上を占めたとか。
うちの職場も一応は大企業と言えなくもないので、この夏ずっと、あっちこっちの壁に「9月30日まではノーネクタイ、ノースーツで」と貼り紙がしてあったのだが、何分これまでは全く逆に「必ずスーツにネクタイを」だったので、この180度の大転換にはみんないささかならず戸惑ったのである。私も言われて一週間くらいは切り替えていいものかどうか迷ってしまった。「罠ではないのか」とか、疑心暗鬼になってしまったのである(被害妄想みたいだが、騙し打ちや裏切りはうちの業界では日常茶飯事である)。
その結果、職場内は、従来通りの夏でもスーツにネクタイでビシッとした人がいるかと思えば、開襟シャツにノーネクタイのラフな人までいるという、よく言えば各人の考え方が一目瞭然で個性的な、悪く言えば統一感のない状態になってしまった。たかが衣服のことなんだけれども、これで「派閥」関係が部外者にすら見えるようになったってのが大笑い。「ああ、ここんとこ、内紛が激しいんだな」ってバレちゃってるのね。
まあ、私もすぐにネクタイを外せなかったのは、「即外し」の連中と同じ穴の狢だと思われるのがちょっとヤだったんである。かなり全体に広がってくれたおかげでこちらもようやく外せたんだけれども。
でまあ、次の課題は、一応9月30日までノーネクタイでいいってことにはなってるんだけれども、その「どれくらい前の段階で」ネクタイに戻すか、そのタイミングなのである。
あー、大企業ってこんなつまんねえことにも気を遣わなきゃなんねえから腹立つ。給料高くねえのに。
しげの好きな役者さん、劇団ダンダンブエノを主宰されている近藤芳正さんが、NTTのフレッツ光・プレミアムのCMに出演している。「近藤芳正って誰?」と思われる方もいらっしゃるだろうが、長澤“小美人の片割れ(南ちゃんなんて言ってやるもんか)”まさみを相手に、光ブロードバンドの宣伝マンを演じている、ぺたっとした顔にちょんちょんちょんと目鼻がくっついた印象のあるあのオジサンである(歳は私より一つ上の43歳)。
しげはこれまで、「好きな役者さんは?」と聞かれたときに「近藤芳正さんとか」と答えると決まって「誰それ?」と返されてしまっていた。『ウォーターボーイズ』や『世界の中心で、愛をさけぶ』とか超有名な映画にも出演していらっしゃるのだが、これがまた、「ほら、あの真鍋かおりの旦那さんを演じた」とか「『セカチュー』で先生役やってた」とか言って説明しても、見てる人ですら覚えてはいらっしゃらないのだ。一番出番が多い映画って言ったらやっぱり三谷幸喜の『ラヂオの時間』の鈴木京香の旦那さん役になるのかなあ。……なんか、気弱な旦那さんって役柄が多いね。
でも、東京サンシャインボーイズに客演されていた時代から、誠実で善良な人間を演じたかと思えば、いい加減で人を煙に巻く傲慢な人間、ひがみ根性丸出しの卑屈な人間など、幅広い役をずっとこなされていた方で、読売演劇大賞を受賞した舞台版『笑の大学』では脚本家・椿一を演じ、三谷幸喜さんにとっては盟友と言ってよいほどなのだが、それでもまだまだ一般的な知名度は決して高くはない。
このCMでブレイクするかどうかは分からないけれども、「ホラ、長澤まさみと一緒に出てる」と言えば少しは通りがよくなったかもしれない。三谷さんの新作映画『THE有頂天ホテル』にも当然出演するので、ご注目いただきたい。
毎月一日の映画の日なので、しげと待ち合わせてキャナルシティで映画『奥さまは魔女』。
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09月01日(木)
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