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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ボンカレークラシック/映画『キャンドルシュー セント・エドモンドの秘宝』
 『ウルトラマンマックス』第九話「龍の恋人」(伝説怪龍ナツノメリュウ登場)。
 伝説怪獣の復活という、定番中の定番を扱ってるってのに、どうしてこうも「穴」が生まれちゃうかな。
 田舎に観光ホテルを建設するために、土地開発を行い、龍の祠を壊してしまったことが伝説怪獣を蘇らせてしまったというのは設定としてはあまりに古臭い。古臭くても普通に脚本を書いて演出すればそこそこの出来になるはずなのだが、やっぱりトホホな描写が散見してしまうのである。
 開発推進派の村長の息子が、客寄せのためにハリボテの龍まで作って演出したりするのだが、だったら祠も壊さずに見世物にしちまえばいいのである。ホテルとかで祠をそのまま中に移したりしてるとこ、結構あるぞ。このあたりの流れがもうムリヤリ。
 で、DUSHでそのハリボテの龍の映像を解析して、「動きがツクリモノです」って言うんだけど、だったらあとで出てくる本物のナツノメリュウも作りもんだと解析されちゃうと思うが。もっともこれはどうにも解決のしようがない瑕だけれどもね。
 これまた定番で「謎の少女」が現れて「龍は悪くないわ!」とか言っちゃうのだが、祠一つ壊されただけで怒り狂って村を焼け野原にしちゃうような怪獣なら、充分悪玉だと思うがな。そもそもこの龍が「村の守り神」だと証明する描写が一切ないから、少女の主張に説得力が生まれないのである。
 ご都合主義的な展開が多すぎるが、それは脚本家にディテールを積み重ねて行く実力がないせいである。もっと厳しいことを言えば人間をきちんと描こうとする意志に欠けているせいである。例えば、ラストで少女の母がペンダントの中の写真をカイトに見せるシーンの不自然さだ。どこの世界にいきなり死んだ自分の娘を「ほれ見ろ」とばかりに見せる親がおるかい。キテるんか、こいつは、としか思われないぞ。これはカイトの方から、「よかったら、写真を見せてくれませんか?」と聞くのが自然だろう。
 そろそろちゃんとした脚本家、監督でエピソードを綴ってくれないと、また客離れを起こすんじゃないかと思う。


 報道を追いかけるようにして書いてきた駒大苫小牧高校の暴力事件、高野連の処分は予想通り殆ど「無罪放免」に近いものだった。
 審議会では、加害者である部長が「一定期間の謹慎」、報告の遅れた野球部については「警告」という結果が上申され、続く臨時運営委員会では、「指導者の行為の責任を選手に負わせるのは適当でない」という理由で、優勝を取り消さないことも決定された。
 温情判決、というよりは、「これしかできなかった」というのが正直なところで、こんな「隠蔽工作」が行われるとは高野連にとっては全くの想定外だったのである。だから、それを処分する規約ももともと存在していない。問題の「脅迫」を行った教頭については、高野連は何の手出しもできていない。これは高野連にとっては「苦渋の判決」だったのであって、「妥当な処分」と判断するのは大間違いなのである。
 いくら高野連が「不祥事があった場合には早期報告を」と喚起しても、「生徒に関わらない限り、学校側の暴力、隠蔽は『警告』で終わり」という前例ができてしまったのである。教員が生徒にどんな暴力を振るってもバレなきゃオッケー、バレてもたいした罪にもならないということになってしまった。これで喜んでいられないのは「生徒」の方なんだが、全国の野球部員たちはそこに気付いてるのかね。
 優勝取り消しまではしないにしても、もうちょっと厳しい処分ができなかったものかと悔やまれる結果である。あとは全国の野球部と学校が、それぞれの「良心」に従って、問題が生じれば報告するようになることに期待するしかないけど、難しいよな。今回の事件は、「バレなきゃいい」の発想がもう全国の学校関係者に蔓延してしまっていて、どうにもメスの入れようがない状態になっていることが確認されただけだ。事件の再発を防ぐ方法は、「正直に言えば罪一等を減ずる」「バレたときは罪をムチャクチャ重くする」しかないのだが、その方法はハッキリと断たれてしまった。今後も、こういう事件は続くだろうし、うまく「隠しおおせる」学校もあることだろう。

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08月27日(土)
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