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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■痺れた指で書いてます/『ボクを包む月の光 ―ぼく地球(タマ)次世代編―』1巻(日渡早紀)
 先週の映画全国興行収入、「eiga.com」によると以下の通り。

 1,スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
 2,ポケットモンスター・アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ
 3,亡国のイージス(初)
 4,ロボッツ(初)
 5,宇宙戦争
 6,アイランド
 7,鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
 8,星になった少年 Shining Boy &Little Randy
 9,皇帝ペンギン
 10,電車男

 1位、2位はしばらく不動って感じだけれど、注目は3位の『亡国のイージス』。今年の福井晴敏映画化三部作のうち、一番出来はいいんじゃないかと予測してるんだが、まあまあの好スタートを切ったようだ。新聞記事によっては「50億円も狙えて実写邦画の.1も狙えるんじゃないか」とか書いてるけれど、この「eiga.com」の分析は冷静で、「30億円程度だろう」というもの。表面的な派手さでは『終戦のローレライ』『戦国自衛隊1549』の方が勝っている感じだし、ともかく前二作の評判が悪かったから、それを考えるとこのスタートは充分OKだろう。
 それに引き換え、封切り二作品が間に入ってきたとは言え、『ハガレン』のランク・ダウンはかなり激しい。評判よくない『アイランド』より落ちてるってのはやっぱり一般ファンへの浸透度はかなり少ないのである。先週、「どうせ一週間経ったら動員落ちるよ」と予測していたが、まんま的中するとはやっぱり腐女子しか見に来てなかったんだってことが証明されたわけで、情けないったらありゃしない。先週はこの「eiga.com」の編集部氏、「続編は確実」とか言ってたくせに、今週は急に「続編製作が難しくなるかも?」とトーンダウンしやがった。予測が甘いっつーか、単に「映画業界に詳しい人」ってだけじゃ、オタクとか腐女子に関する認識・理解がそもそもないんだろうね、だからオタクってすっかり細分化しちゃってるから、「一部に大受け」が全体に広がることってなかなかないんだよ。野村総研の「オタク市場は2900億円」なんて試算も殆どアテにならないのである。
 実際に『ハガレン』続編が作られるかどうかはまだ微妙ってところだろう。興行収入20億円は苦しくなったが、せめて10億行ければギリギリGOサインが出る可能性はある。いや、もう続編は作らない方がいいよと思っちゃいるのだが、一度コワレた作品がさらに奈落の底を転落していくのを追いかけてしまいたくなるのも『ヤマト』以来のオタクの悲しい性(さが)なもんでね。もういくらでも作ってくれ、『鋼の錬金術師SEED DESTINY』とか。


 女優のロ−レン・バコールが(っつっても知らない若い人もいるかもしれないが、自分で調べるように)、1日発売の『タイム』誌で、トム・クルーズをケチョンケチョンに貶したとか。ケイティ・ホームズとの婚約を映画の宣伝に利用してるとか、まあそのあたりの批判は誰しも言ってることだけど、クルーズの演技力について堂々と「(世間でクルーズの演技を「グレート」と評価していることに対して)グレートと言うならそれなりのことがなければならない。トム・クルーズなんかのことではない」と言い切ったというから、小気味よい。でも、天狗の鼻っ柱を折るにはバコールくらいの大女優を呼んでくるしかなかったってのが大根役者に大手を振って歩かせてるハリウッドの脆弱な体質を逆証明しているわけで、決して喜ばしい状況ではない。
 実のところ役者の「演技力」を測るのは簡単なことではない。「そもそも役者に演技力は必要なのか」という議論すらあるくらいで、「演技力論争」を本気で始めたら、延々と尽きることのない堂々巡りに陥ることすら覚悟しなければならない。だから「トム・クルーズは本当に大根かどうか」という問題についても、その批判の視点を明確にしなければたとえバコールの言と言えどもただの中傷と解されて終わってしまう危険も大である。正直、私だってクルーズの演技を上手いなんて思ったことは一度もないんだが(あの口をいつも半開きにする癖は何とかならんのか。知的な役をやっても全然知的に見えないぞ)、クルーズを責めるならほかにも責めなきゃいけない俳優がベン・アフレックとかベン・アフレックとかベン・アフレックとか、いっぱいいるんじゃないかと思うのである。

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08月02日(火)
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