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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■政治を笑えば政治に利用されるということ/映画『チーム★アメリカ ワールドポリス』
昨日、本当は朝から映画を見に行くつもりだったのだが、体調がすぐれず控えていた。
今日は昨晩の(つか朝までの)花火とカラオケで昼までくたばる結果になったので、その判断は正しかったと言えよう。
夕方になってようやく体が動くようになって、シネ・リーブル博多駅に映画『チーム★アメリカ ワールドポリス』を見に行く。世間は『亡国のイージス』の方に群がっているのだろうが、優先順位はやっぱりこっちが先になるよな(笑)。
『サウス・パーク』のトレイ・パーカー&マット・ストーンによる懐かしの「スーパーマリオネーション」映画であるが、まず内容紹介以前に、気になってる方も多かったであろう「果たして天皇皇后両陛下の出演シーンは上映されるかどうか」について報告しておく。ハイ、見事にカットされておりました。『チンポコモン』と同じ憂き目ですな。日本のどこが自由の国だと悪態の一つも吐きたくなる方も多かろう。別に私は天皇制反対論者ではないが、こういうつまらんタブーが現実に存在している以上は(右翼が実際に過激な行動に出る可能性が常にある以上は)、「日本は絶対に右傾化なんかしない」という主張に説得力がなくなってしまうのである。自主規制なんかするな。
多分、このシーンはDVD発売の際も日本版ではカットされることはまず間違いのないところだろうから(しかも何の説明もなく)、完全版を見ようと思ったら、本国版のDVDを取り寄せるしかない。お金の余裕がない人は、日本版を見てどこにどんな形でそのシーンがあったかを想像してみよう。
公開二日目であるにもかかわらず、ガラスケースの中にパンフレットが見当たらなかったので、もしやと思ってカウンターで「パンフレットは売ってないんですか?」と聞いてみたところ、「制作されてないんですよ」とのことだった。本当かあ? なんかマズイこと書いたライターがいて、急遽回収されたとか、そういう可能性もありそうな気がする。映画の詳しい内容を文字で確かめたい人は洋泉社発行の『チーム★アメリカ/ワールドポリス インサイダー』を買うしかなさそうである。
平和を乱すテロリストに対抗すべく結成された国際警備組織「チーム・アメリカ」。世界警察を自認する彼らは、今日も今日とてパリで自爆テロを目論むアラブゲリラを見事に殲滅した。その過程でエッフェル塔やルーヴル美術館が全壊するなど、ちょっとした被害はあったが、世界の平和のためには微々たる犠牲である。たとえアレック・ボールドウィン率いる全米俳優協会から「救済と称して破壊を繰り返しているだけ」と非難されようと、チームは全くどこ吹く風だ。
今日もエジプトはカイロで、憎きテロリストたちが大量破壊兵器を隠し持っているという情報を探り出したリーダーのスポッツウッドは、スパイを送り込むことにする。そのためにスカウトされたのは、なんとミュージカル俳優のゲイリーだった。果たして彼の「演技力」はテロリストたちの目を見事欺くことができるのか。そのころ、テロリストたちの背後に潜む黒幕・北朝鮮の金正日は、全面戦争を画策し、俳優協会を利用しようとしていた……。
さて、本作については「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」にて、何度となく町山さんが制作レポートや実際に観劇したときの批評やアメリカでの反響などを紹介している。
内容をかいつまんでまとめちゃうと、「トレイとマットの二人は自分たちではノンポリのつもりで、右も左もブッシュも反ブッシュもまとめてバカにしているつもりかもしれないが、出来上がった映画は政治的発言を繰り返す俳優たちへの嫌悪が勝ったせいで、『親ブッシュ』と捉えられかねない映画になっている」とのこと。あちらでの映画公開がまさしくブッシュ再選の直前だったせいで、実際に「政治的に利用された」と、彼らの「うかつさ」を痛烈に非難しているのだ。
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07月31日(日)
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