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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■続く事故(ヒビキのタイトル風)/『ビジュアル探偵明智クン!!』1巻(阿部川キネコ)
F(遠心力)=m(質量)×v(速度)2/r(距離)
兵庫県尼崎のJR福知山線の脱線事故、死亡者はついに107人。最終的な事故原因はどうやらやはり「スピードの出しすぎ」「急ブレーキをかけたための脱線」ということらしい。過密ダイヤとか何とか言われてるけど、結局は運転士の責任なんで、今の報道は、「憤懣の持って行き所」を探して、迷走しているように思える。
電車事故だのバスの転覆だの、人為的な事故がこれだけ相次ぐと、「ミスは許されない」という言葉がかえって空々しいものに聞こえてくる。人間はどうやったってどこかでミスをしてしまうものなのだ。だったら、そもそもミスを誘引する要素自体を減らしていくしかしようがないのではなかろうか。福知山線の事故についても、運転士にプレッシャーを与えた過密ダイヤも問題だが、時間に縛られた現代日本人の精神構造が招いた悲劇だとも言えるのである。生活にもっとゆとりを、とは誰もが口にするが、具体的にのんびりできる余地がないんじゃ、いつか何かの事故が起きることを覚悟するしかないのが「現実」というものではなかろうか。
昨29日夜、羽田空港で間抜けなトラブルが起きた。
工事のため閉鎖されていたA滑走路に、管制官ら管制グループ18人全員が滑走路閉鎖を失念して誤った指示を出したために、帯広発の日本航空1158便(エアバスA300型機、乗員・乗客51人)が着陸した。当時、滑走路上には工事車両などがなかったため、けが人などはなかったが、この2分後、札幌発の日航1036便(ボーイング777型機、乗員・乗客161人)も閉鎖中の滑走路に向けて最終着陸態勢に入っており、気づいた管制官が慌てて着陸をやり直させている。つまり、一歩間違えば、飛行機と工事車両、飛行機と飛行機が滑走路上で接触するなど、重大事故にもつながりかねない深刻なミスだったのである。
にもかかわらず、18人全員がモノワスレって事態はあまりに間抜け過ぎで、ニュースを知らない人に伝えても冗談としか受け取ってもらえないのではなかろうか。例えて言うなら、管制官みんなガンビー。これが小説だったら、読者は絶対「リアリティがない」と文句をつけるはずである。着陸の指示を出した管制官も、事情聴取に対して「漠然とは閉鎖があることは頭の隅にあったが、昨日がその日との認識はなかった」と話しているというから、やっぱりガンビーである。
例年、この時期はシティボーイズの公演を見に上京していたのだが、今年は北九州公演があるのでパス。のんびりと朝からテレビを見る。
日本映画専門チャンネルで『クレージーの大爆発』、『放浪記(1935/夏川静江主演版)』、時代劇専門チャンネルで『木枯し紋次郎』など。感想は長くなるのでパスね。
あとは、マンガなど読む。
マンガ、阿部川キネコ『ビジュアル探偵明智クン!!』1巻(芳文社)。
世の中に妖しいマンガは数あれど、これくらい本屋のカウンターに持って行き辛いマンガもあるまい。いや、女性は全然平気でしょうが(笑)。表紙に登場しているのは、一見、長髪の美女、よく見ると全裸のオトコ。これが主人公の明智くんだ。『新・ルパン三世』主題化付きOPの峰不二子のボーズで、ライフル構えてるんだけど、なんかねえ、潤んだ瞳にマニキュア塗って伸ばした爪がもう完全に男の客を引かすこと請け合いってなキャラでねえ。阿部川さんの『辣韮の皮』や『WAKIWAKI タダシさん』が面白かったのでこの本も買っちゃったのだが、表紙だけなら絶対に買ってない。誰が買うか。
しげが一時期ボーイズにハマッてたおかげで、ウチには妖しい表紙のマンガがそこここに散らばっていて、これ以上、自分の生活環境を不穏にしたくはないのである。
けれど、帯にはなんと桑田乃梨子の推薦文が! 作者どうしがお友達なんだろうが、これだけ傾向の違うマンガを描くお二人が……ってのもフロイト的になかなか興味深い(おおげさ)。
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04月30日(土)
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